2022年、CDOの最重要課題はデータの断片化
データ管理者がデジタルを推進する理由
今日のCDOの最重要課題とは何でしょう?インフォマティカはIDCに委託し、世界核国の企業を対象とした調査を行いました。
インフォマティカ後援のIDC Global Chief Data Officer (CDO) Engagement Survey 20211 によると、データ責任者の37%が、データの断片化が原因によりデータ変換よりも、データの複雑性に時間を取られていることが分かりました。また、調査対象の企業の25%以上が1,000~9,999のデータソースを、4%が10,000個以上のデータソースを管理しなくてはいけないことが分かりました。

このように、データマネジメントとコントロールは複雑であるがゆえ、データ責任者は日々の管理に追われている状況です。逆に、データマネジメントが上手くいっている企業は、上手くいっていない企業に比べて、データから最大250%も多くのビジネスの価値を見出しています。
どのようにしてそれを実現しているのか、調査結果を見てみましょう。
デジタルトランスフォーメーションへの鍵
企業のデジタルトランスフォーメーションには、4つのポイントがあります。
- 顧客に革新的な製品とサービスを提供すること。
- 既存の顧客と新しい顧客の両方に、新しいエンゲージメントモデルを提供すること。
- 製品やサービス、カスタマーエクスペリエンスを市場に出す際に新しい運用モデルを作成すること。
- デジタル トランスフォーメーションは、これらすべてのイノベーションを活用するべく、新しいビジネスモデルを作り出すこと。
デジタルトランスフォーメーションを成功させるには、企業はまずデータを管理する必要があります。レポートでは、データマネジメントとデジタルの成熟度には相互関係があることが分かりました。
データマネジメントの成熟度は、企業に対して行った、データ、テクノロジー、アーキテクチャ、組織の現状に関する質問の回答を元に割り出しました。IDCは、成熟度のレベルを4つに分類しています。
- 対応が後手となる企業は、断片化と複雑さで影響を受ける。
- その場対応の企業は積極的ではあるものの、複雑な環境では成功は難しい。
- 再現性の高い企業はデータの活用に成功しているが、断片化によって進行が妨げられている。
- 効率の良い企業は、断片化と複雑さの管理が最も成熟している。
この調査では、データマネジメントを最大限に活かし、デジタルトランスフォーメーションが順調に進んでいる、あるいは完成に近い企業は、その場対応の企業の2倍もあり、データリーダーシップを向上させることで、デジタルリーダーシップを高めていることが分かりました。
データ管理者がすべき4つのこと
この調査では、デジタルトランスフォーメーションを加速させているデータマネジメントの成熟度が高い企業が、どのような点で他の企業と違うのかを示しています。
- 設計 デジタルトランスフォーメーションの成功には、マルチクラウドやハイブリッド環境におけるデータの収集、保存、利用に対応したデータアーキテクチャレイヤーが必要です。調査によると、データマネジメントが上手くいっている企業は、データファブリックやメッシュなどのデータアーキテクチャを設計している可能性が、対応が後手となっている企業よりも13.5倍高くなっています。
- 簡素化 ポイントソリューションを次々に導入すると、ますます複雑になり、ソリューション間の統合管理が技術的に負担となります。調査対象の企業のうち、データマネジメント機能全体の標準化によって技術的な負担を減らすことができたのは、わずか6%でした。効率の良い企業は、企業全体のすべてのデータマネジメント機能を標準化している可能性が1.5倍高く、データアーキテクチャの実装を簡素化することができます。
- 自動化 データソースの数とデータ量は増加の一途をたどっています。IDCのGlobal DataSphere Forecast改訂版によると、世界のデータ作成と複製は、2020~2025年の間に年平均成長率(CAGR)が23%になると予想されています。2 デジタルトランスフォーメーションのためにデータを幅広く、一貫して活用するためには、データマネジメント業務の自動化が不可欠です。効率の良い企業は、企業全体でデータマネジメントにAIを運用している可能性が3.7倍高く、データの可用性と消費量を増加させることができます。
- 拡張性 クラウドネイティブサービスは、変化する需要に対応するため、迅速で簡単にリソースを割り当て、データマネジメントサービスを拡張することが可能です。効率の良い企業は、105倍高い確率でデータマネジメント機能の80%以上をクラウドに持ち、サービスの拡張性と俊敏性を高めることができます。
2022年、データリーダーシップを加速するために
- データ、分析、プロセスがビジネス成果につながるデータ戦略を作成し、それに必要な技術を重ね、データアーキテクチャの設計をサポートします。強力なデータ戦略とアーキテクチャは、導入の迅速化、導入リスクの最小化、所有コストの削減、投資収益率の向上につながります。
- 現状をデータアーキテクチャと照らし合わせて評価し、ギャップ分析を行います。ポイントソリューションを統合し、改善することで複雑にならないようにし、機能拡充を目指します。価格設定モデルは時が経つにつれ変わる要件に応じて、機能を簡単に切り替えることができるかが焦点となります。
- 手動で行っていたタスクを自動化し、推奨や洞察で生産性を向上させる方法を探します。データの発見、カタログ化、統合、クレンジング、マスタリング、ガバナンス、共有をAIとメタデータで使用する機会を見極めます。
- マイクロサービス、コンテナ、サーバーレスなど最新のクラウドネイティブアーキテクチャを使用することで、クラウドインフラの拡張性、俊敏性、耐障害性の恩恵を受けることができます。ピーク時のキャパシティプランニングやエンジニアリングに煩わされることなく、変化する需要に応じてリソースを迅速かつ簡単に拡張できるようにします。
今こそデジタルトランスフォーメーションを加速させましょう!
私たちは今までにない時代を生きています。世界中でデジタルトランスフォーメーションが加速している時代です。勝者と敗者は、もはや数十年ではなく、数年で決まります。そして、データを戦略的資産とする今こそ、この瞬間を逃さず、社内に変化をもたらす時なのです。
企業の一人一人がデータ革命を推進するデータリーダーに期待しています。
データマネジメントでどれほどのビジネス価値を実現できるのか、また、この調査から多くのヒントを得るには、2021年版CDO調査をダウンロードしてください。
1 IDC, Global Chief Data Officer (CDO) Engagement Survey 2021 Data Readout, Sponsored by Informatica, doc #US48079321, July 2021.
2 IDC , Worldwide Global DataSphere Forecast, 2021–2025: The World Keeps Creating More Data — Now, What Do We Do with It All? (Doc #US46410421, March 2021).
本ブログは2021年12月9日のSUSAN WILSONによるData Fragmentation Is CDOs’ Top Challenge in 2022の翻訳です。
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