カスタマーデータプラットフォームで知っておきたいこと

データは、見込み客、顧客、ゲスト、従業員、患者、アカウントなど、さまざまな情報を引き出す鍵となります。すべての顧客データをつなぎ合わせて表示することで、ユーザーは多くの情報から意思決定を行い、より積極的に、最終的には顧客の心をつかむことができるようになります。

カスタマーデータプラットフォーム(CDP)とは、顧客情報を収集し、一元化して顧客の好みを理解し、顧客をセグメントに分類するソフトウェア・ソリューションです。顧客関係管理(CRM)、データマネジメントプラットフォーム(DMP)、データレイクなどの従来のツールは、データを管理するために設計されていますが、カスタマーデータプラットフォームに見られるような機能はありません。

適切なカスタマーデータプラットフォームを選ぶには、特定のビジネスニーズや活用事例に対応するためにどのような機能が必要かを把握することから始まります。その際、システムからのデータの入出力、機械学習による自動化、分析の実行、レポートの提供、既存システムやアプリケーションとの統合など、機能を検討する必要があります。

カスタマーエクスペリエンスへの期待と顧客データの変化

パンデミック後の世界では、顧客の行動に大きな混乱と変化が生じており、多くの顧客がこれからも続く変化であると認識しています。ニューノーマル(新しい生活様式)に移るにあたり、これらの変化を捉え、理解し、活用することが重要です。何が永続的で、何が一時的なものなのでしょうか?企業はどのように進化していくのでしょうか?

カスタマーエクスペリエンス(CX)は、非常に競争の激しい戦場です。市場で際立つブランドを確立するためには、顧客をビジネスの中心に据え、高まる顧客の期待に応えることが必要です。なぜなら、今日の顧客は、取引先企業が顧客を理解し、それに応じた対応を望むからです。優れたカスタマーエクスペリエンスは、忠実な顧客と他社に乗り換える顧客との違いを意味します。

ある試算によると、消費者とビジネスにおけるデジタルの普及率は、3カ月足らずで10年先に進みました。

調査回答者の21%が、自身にとって関連性が高いメッセージやプロモーションを送ってくれるブランドに乗り換えたと回答しました。

さらに、世界の消費者の60%がパンデミックの間にショッピングの行動を変え、新しいブランドに乗り換えたが、その多くは価値や利便性のためと回答しました。

CXを成功させるためには、データが正確でアクセス可能な状態でなければいけません。しかし、今日のデジタル社会は必ずしもそうではありません。多くの企業が顧客データの取り扱いに頭を痛めています。重複したデータや断片的なデータが各部門に存在し、チャネル、部門、システムに散在しています。このようなデータはすぐに古くなり、正確性を欠くため、マーケティングの失敗、パーソナライゼーションのミスマッチ、意図しない解約や収益の損失につながる可能性があります。

顧客とのあらゆるタッチポイントで確実に成功するためには、顧客データの全体像の把握、連結して信頼できる形での把握が必要であり、ビジネス全体のすべてのユーザーがアクセスできるようにする必要があります。カスタマーデータプラットフォームは、顧客を知るうえでの手がかりとなり、顧客の忠誠心を築き、期待に応えることができるのです。

54%の企業がデータ主導のマーケティングを成功させるためには、データの品質と完全性が課題であると回答しました。

カスタマーデータプラットフォームとは?

カスタマーデータプラットフォームとは、一般的にマーケティングによって管理されるシステムであり、ソースが何であれ、顧客データを統合し、顧客に関する情報をひとまとめに見られるようにすることができるものです。また、カスタマーデータプラットフォームは、技術者でなくても理解しやすい分析結果を提供し、チャネル間のアクションデータを調整することができます。パーソナライズしたカスタマーエクスペリエンスを提供しようとしている企業にとって、CDPはメッセージ、提供のタイミング、ターゲティングを向上させるべく、必要なすべてのデータを整理して分析できるようにします。

顧客の深層心理に迫る詳細で唯一の情報源があれば、マーケティング業務を最適化することができます。カスタマーデータプラットフォームはデジタルコンタクトの識別、見込み客を一見から上得意客に変更、キャンペーンのセグメント化、および個別化に使用されます。さらにカスタマーデータプラットフォームの中には、詐欺の分析、アンチマネーロンダリング防止(AML)、関係抽出などをサポートするものもあります。

カスタマーデータプラットフォームが管理するデータには以下のようなものがあります。

・人口統計(個人の名前、住所、DOBなど)
・企業特性(企業名、規模、業種など)
・地理
・デバイス設定
・チャネル設定
・購入履歴
・直近の閲覧履歴やメールの利用状況
・カスタマー・サービス履歴
・生涯価値
・好みの傾向
・購入の可能性
・セカンドベストな商品の推奨
・セカンドベストなチャネル
・解約の可能性

A chart illustrating the typical data elements managed by a customer data platform | Informatica

カスタマーデータプラットフォームのメリット

カスタマーデータプラットフォームを導入して、あらゆるソースからのデータを整理し、合理化することは、ビジネスに直接的な影響があります。カスタマーデータプラットフォームは、マーケティング担当者、営業チーム、カスタマーサポートやカスタマーサービス担当者が、顧客に関するデータを提供することで、業務遂行に役立ちます。最終的には、カスタマーデータプラットフォームに投資した企業は、顧客重視の視点とカスタマーエクスペリエンスの目標を達成することができます。

メリット1 顧客の獲得

カスタマーデータプラットフォームは、適切なチャネルを通じて、適切なタイミングで適切な見込み客に情報をつなぐことで、市場シェアの拡大に貢献します。マーケティング担当者は、顧客データの状況を把握することで、顧客獲得率を向上させる提案を低コストで作成できます。マイクロターゲットセグメントに基づくキャンペーンは、パフォーマンスが向上し、リード創出やコンバージョン率の向上につながります。

この6年間で、新規顧客獲得に係るコストは60%増加した

メリット2 適切な顧客囲い込み

個々の顧客やアカウントをもっとよく把握することで、企業は単に製品やサービスを販売するだけでなく、顧客がリピーターとなるような関係を築くことができるのです。カスタマーデータプラットフォームは、解約を減らしつつ、顧客の生涯価値と利益(財布内シェア)を向上させることができます。満足している顧客は忠実な顧客となるのです。

新規顧客の獲得には、既存顧客の維持に比べて5倍のコストがかかる

メリット3 カスタマーエクスペリエンスの向上

これまで述べてきたように、データとは優れたカスタマーエクスペリエンスを生み出す鍵となります。カスタマーデータプラットフォームは、セカンドベストの行動や提案を特定し、未解決のサービスリクエストや問題で、顧客との関わりを断つタイミングを判断することができます。顧客との対話を個別化することで、顧客満足度、顧客維持、忠誠心の向上につながります。

素晴らしいカスタマーエクスペリエンスを提供してくれるブランドの製品やサービスであれば、消費者は16%多く支払う傾向にあります。

カスタマーデータプラットフォームの主な機能

ソフトウェアベンダーの歴史や専門分野に応じて、カスタマーデータプラットフォームはデータマネジメントまたはデータ分析に重点を置くことがありますが、ほとんどのカスタマーデータプラットフォームは、データマネジメント、分析、そしてマーケティングにまたがるコア機能をセットで提供しています。

代表的なカスタマーデータプラットフォームの機能は以下のとおりです。

デジタルトランスフォーメーションにより、新たなチャネルやデータタイプが生まれ、顧客データの管理プロセスはより重要で、かつ複雑になっています。カスタマーデータプラットフォームの中には人工知能(AI)と機械学習(ML)を組み込んで、顧客プロファイルの照合などのプロセスを自動化し、データに隠された情報を発見するための分析を行うものもあります。

モバイルデバイスやオンライン取引でのデジタルインタラクションにより、データ量が数十億にもなれば、人間がすべての重複レコードを見つけたり、データのパターンやトレンドを見つけるのは不可能です。MLはそれらを自動化することで、コスト削減と顧客プロファイルの精度向上を実現します。

インサイトがあれば顧客をより深く理解できます。また、広告メッセージをカスタマイズし、顧客との交流を個別化し、セカンドベストの提案予測ができ、チャネルの好みを理解することができます。これにより、マーケティング、セールス、サービス、サポートのすべてがより良いデータと優れたインサイトで、効率化とカスタマーエクスペリエンスを向上させることができるようになります。

すべてのカスタマーデータプラットフォームが同じように作られているわけではないので、どのような機能があるかを理解することは、ニーズに合ったツール選択に役立ちます。

他のデータマネジメントソリューションと異なるカスタマーデータプラットフォーム

この世には多くのカスタマーデータマネジメントソリューションがありますが、違いを理解し、重複する機能を認識することが重要です。

カスタマーデータプラットフォーム
カスタマーデータプラットフォームは、マーケティングテクノロジー(MarTech)やアドテクノロジーアプリケーション(AdTech)が、顧客データや情報を利用できるように設計されています。管理されるデータには、既知のもの(従来の顧客)と未知のもの(見込み客)があります。マーケティングチーム、セールス、サポートそしてサービスはカスタマーデータプラットフォームの一般的なユーザーです。

マスターデータマネジメント
マスターデータマネジメント(MDM)は、企業データを管理するよう設計されています。企業データとは、組織のユーザーが共有するデータのことで、通常は部門や地理的地域を越えて共有されます。MDMの目的は、企業やビジネスアプリケーションがマスターデータの記録を利用できるようにすることです。ユーザーには、データスチュワードや専門分野の業務が含まれます。

データレイク
データレイクとは、膨大な量の生データをネイティブ形式で保管するストレージリポジトリのことです。一般的には企業データを分析や将来利用するために保管しておく場所のことです。

データマネジメントプラットフォーム(DMP)
データマネジメントプラットフォーム(DMP)とは、オンライン、オフライン、モバイルなどのソースからファースト、セカンド、サードパーティのオーディエンスデータを収集、整理、活性化するための統合プラットフォームです。DMPは、匿名の顧客のセグメントを管理し、MarTechやAdTechのアプリケーションで利用できるようにするものです。

自社ビジネスに適したカスタマーデータプラットフォームの選択

同じような選択肢が多々ある中で、ビジネスニーズに基づいて適切なカスタマーデータプラットフォームを選択することが重要です。以下の質問に答えていただくことで、自社に適したカスタマーデータプラットフォームを選ぶことができます。

・データ。それは求めるカスタマーデータプラットフォームは名前、電子メールアドレス、電話番号、住所などの連絡先データ情報のクリーニング、重複排除、結合、および検証ができ、顧客データマネジメントを行い、充実した高品質のデータを確保するものですか?

・IDデータ検証/照合。それは求めるカスタマーデータプラットフォームは、顧客固有IDを解決、維持、管理し、AIを活用したマッチングアルゴリズムで一貫した顧客観を持ち、顧客データの規模とデジタルトランスフォーメーションに対応できますか?

・ 統合。それは求めるカスタマーデータプラットフォームは、リアルタイムやバッチでデータの入出力ができ、ソースシステムや消費するアプリケーション、システムとのシームレスな相互運用性を社内外問わず確保できますか?

・パフォーマンス。それは求めるカスタマーデータプラットフォームは、データ量や種類、ユーザー数の増加に応じて簡単に拡張できるように設計されていますか?

カスタマーデータプラットフォームを始めましょう

インフォマティカは、カスタマーデータプラットフォームの導入に役立つ100超えるRFP(提案依頼書)の質問をまとめました。これらの質問は、お客様のビジネス活用事例や目的に最適な機能や特徴を探しやすくまとめられています。”理想的なカスタマーデータプラットフォームRFPの構築”のホワイトペーパーと付属のチェックリストをダウンロードして、より良い顧客データへの旅を始めましょう。


本ブログは2021年8月9日JENNIFER MCGINNによるCustomer Data Platforms: Everything You Need to Knowの翻訳です。