API統合とiPaaSの基本とメリット

API統合とは、いったい何でしょうか?技術的な面から定義を述べると非常に長くなるため、例えを用いてご説明します。まず、デジタル企業を人体、身体の各パーツを機能ユニットだと考えてみてください。手を顧客関係管理(CRM)、脳を統合基幹業務システム(ERP)とした場合、それぞれにデータを送る動脈・静脈としての役割を担うのがAPIです。APIは、企業全体における「接続組織」を意味します。

ネット上での注文をはじめ、宿題の提出や航空会社の予約に至るまで、デジタルの領域で何かを行う際は、必ずアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を活用する必要があります。

API統合とは、異なるデータベース、デバイス、アプリケーションを接続することを指します。シンプルな仕組みではありますがその効果は非常に大きく、API統合によってデジタルトランスフォーメーションが可能になるのです。

ビジネスにおいてデジタルトランスフォーメーションを繰り広げ、新たなビジネスチャンスに結びつくような俊敏性を実現するためには、組織は技術(システムとプロセス)の俊敏性を磨く必要があります。そこに立ちはだかる壁となるのが、大規模で、分割されておらず、高価で、壊れやすく、それぞれが孤立した状態で維持されているオンプレミス環境のERP、人材管理(HCM)、サプライチェーン・マネジメント(SCM)、CRMアプリケーションです。

増え続けるアプリケーションに対応するためには、ポイントツーポイントに留まらないAPI統合が必要

企業の業務担当者がクレジットカードを使って新しいアプリケーションを導入できるようになったことで、新しいアプリケーションがこれまでにない速さで企業に導入されています。1990年、企業が保有する平均的なアプリケーション数は5〜10程度でしたが、その数は現在では約1,200にまで増加しています。[1]

APIは、異なるアプリケーションとビジネスプロセスを結びつけることで、カスタマーエクスペリエンスの低下につながるサイロ化を解消します。今日では、グローバル企業の94%がAPIに関する戦略に取り組んでいるという統計からも、その重要性がうかがえます[2]。

問題は、API単体でのアプローチを組む企業が多すぎること

一部の組織では、既存のアプリケーションにAPIを追加し、クラウド対応するだけで良しとされています。この手法は非常に容易であり、ビジネス上のアプリケーション運用に使われることもありますが、こういった「クラウドウォッシュ」アプリケーションは拡張しにくいという特性があります。ただ単にAPIを追加すればいいと言うわけではないのです。

一般的に、アプリケーションの最新化とは、サイズが大きくて重たいアプリケーションをリファクタリングし、マイクロサービスへと分解した状態でそれぞれを結びつけ、クラウドに適応させることを指します。この作業の必要性は、2023年までに5億ものクラウドネイティブなアプリケーションが開発されるという専門家の予測にも表れています[3]。

iPaaSの必要性

多くのグローバル企業では、包括的に統合されたサービスとしてのプラットフォーム(iPaaS)を活用し、必要な機能すべてを一元管理する需要が高まっています。iPaaSはAPIの作成と管理だけでなく、データセット処理、イベント処理ができるうえ、信頼性の高いデータを異なる形式で配信し、データハブとプロセスの統合、自動化なども行えます。

3種類すべてのAPI統合をサポート

多くのiPaaSソリューションは、以下のような3種類のAPIをサポートしています。

最も一般的なのが、アプリケーション間における例です。データをリアルタイム(もしくは、ほぼリアルタイム)で移動させることで重要なアプリケーションの使用事例をサポートしています。これに続く一般的な事例として挙げられるのが、バルクデータとデータ操作のサポートです。さらに一部のベンダーではAPIを活用し、従業員同士のやり取り(マネジャーが経費報告書を承認する際など)がアプリケーションのワークフローに介入できるようにすることで息の長いビジネスにつなげています。

API統合戦略に取り入れるべき8つの機能

API統合戦略を開発において不可欠な機能をご紹介しましょう。

API統合に必要な機能#1:包括的なAPI開発と設計

APIを開発する際は、それぞれの環境にあうAPIタイプや機能を考慮した設計を行うほか、XMLやJSONといった標準の応答形式を実装する必要があります。これにより、顧客は複合APIとして公開されるさまざまなアプリケーションやデータのサービスを受けることができるようになります。REST、SOAP、Java、SQLやストアドプロシージャ、メッセージキューイング、pub/subシステム、その他のさまざまなオンプレミスおよびクラウドアプリケーションとサービスを組み込みましょう。

API統合に必要な機能#2:「うまくいく」APIイントロスペクション

REST APIの構築にあわせて導入されるSwagger(OpenAPI)やSOAP/WSDLなどのように、自己記述性を備えた業界標準の機能を使用することで、インターフェイスドキュメントが自動的に生成されるようになります。

API統合に必要な機能#3:「試す」ことのできるAPIポータル

多くのベンダーには、顧客開発者がAPIにアクセスし、APIを使用する「市場」となるAPIポータルがあります。こういったポータルは、「試す」というテスト機能を備えており、アプリケーション開発者は、本番環境で使用する前にすばやくAPIのチェックを行うことができます。また、Swagger viewerを使用すると、バックエンドでの実装とクライアント側での使用が容易になります。さらに分析ダッシュボードでは、時間の経過に伴う使用傾向や最も使用されているAPIを把握することができます。

API統合に必要な機能#4:APIモニタリング

包括的なセキュリティが確保されており、例外的なログを確認できるAPIモニタリングを導入しましょう。これにより、API管理者は不正なAPIアクセスの試行やポリシー違反をすばやく特定し、分析することが可能となります。

API統合に必要な機能#5:分析

APIは、成功や失敗から得られる統計、使用状況レポート、トレンド分析など、大量の分析を生み出します。カスタマイズ可能なグラフィカル分析ツールを備え、組織内におけるすべての従業員が簡単に利用できるソリューションを探しましょう。

API統合に必要な機能#6:検出やアクセスを容易にするセルフサービス機能

公開するAPIをAPIレジストリに自動的に登録されるようにしておくと、管理が容易になるだけでなく、他のユーザーに目にも留まり、アクセスしやすくなります。セルフサービス機能があれば、APIの公開しからアプリケーションとパートナーによる使用状況の監視までをワンクリックで行うことができます。

API統合に必要な機能#7:APIゲートウェイ

APIゲートウェイを使用すると、組織内やビジネスパートナーとの間におけるAPIの導入、アクティブ化、保護を行うことができます。また、レート制限やIPフィルタリングといったポリシーを適用することで、APIに対するアクセスを保護、制御します。

API統合に必要な機能#8:APIマネジャー

APIの管理者や開発者は、APIマネジャーを使用することで管理、監視を行います。APIマネジャーには通常、以下のような機能が含まれます。

・サービスAPIの公開

・APIのアクティブ化、非アクティブ化、削除を含むライフサイクル管理

・APIの説明

・APIポリシー

・API使用分析、ログ、およびセキュリティの例外を監視

・組織全体におけるレート制限とIPフィルタリングポリシーの適用化と、それぞれのAPIに対するレート制限ポリシーの割り当て

・デフォルトAPIのURLカスタマイズ、APIへのIPフィルタリングの割り当て、バージョン管理によるAPI管理の改善、APIキャッシュによる応答時間の短縮

インフォマティカの目標:より有効に活用できるAPIを目指す

API統合ツールを使う際の指針として、インフォマティカが考える3つの原則をご紹介します。

  1. APIの民主化

生産性と俊敏性のカギとなるのは、組織内のあらゆるスキルの活用です。つまり、APIの構築、展開、管理、監視のプロセスにおいて、エリートなJavaクラスの開発者よりもはるかに多くのことを可能にする必要があります。

インフォマティカの提供するソリューションのように、アプリケーションやAPI統合用のツールでは、コーディングやビルドの作業なしで統合やAPIの構築、組み立て、監視、保守を行うことができます。これにより、統合アーキテクトからデータスチュワード、非技術的なビジネスユーザーに至るまで、組織全体に快適なユーザーエクスペリエンスが提供されます。この画期的な機能(データ、アプリケーション、編成APIをクリックするだけで活用できる機能)により、組織内のコンサルタントやITチームに依存しすぎることがなくなります。

  1. データ、パターン、レイテンシにとらわれない高度なデータアクセス

理想的なのは、クラウドかオンプレミスか、またはファイアウォールの内側か外側かに関係なく、あらゆる場所に存在するデータをあらゆるスピードとレイテンシでリアルタイムに編成、取り込み、同期、複製、変換、リフト&シフトできる状態です。これをすべてAPIコールによって行うことで、APIへのアクセスが制御、調整、監視されます。

つまり、安全かつ適切に管理された方法でAPIとしてのデータ作成が可能になるのです。

  1. AIによるメタデータ検出

データはあらゆる場所に存在し、そのほとんどは記述がない状態です。API Managerに組み込まれているAIや機械学習を利用したCLAIREエンジンを使うことで、さまざまな統合シナリオで使用するデータを自動的に検出して記述するのに役立ちます。

データを記述できなければ、大量のデータセット処理、APIコールの公開または実行、データの一括取り込みなど、どのような場合においてもツールは効果的に機能しません。一方、CLAIREベースのメタデータ検出を使うと、他のベンダーとは一線を画す機能によってデータの価値を理解することができます。

一部のベンダーでは、APIの作成や管理のために腕の良い開発者を何人も雇い、高額なコストを割いています。これは、単純なユースケースであれば一般の従業員でも対応することができますが、少し複雑な状況下では専門家に任せるしかないためです。しかし、包括的でクラウドネイティブな単一のプラットフォームであるインフォマティカ製のIntelligent Data Management Cloudには、シンプルさ、生産性、拡張性、そして十分な幅と深さが備わっており、これを活用することで効果的なAPI統合が期待できます。

API統合の成功事例:ローン処理時間を34%短縮したnCino社

さまざまな金融機関にサービスを提供しているnCino社では、異なるITプラットフォームで実行されている勘定系システム、業務処理システムからデータを取得する必要があります。連日、nCino社ではこういった顧客システムから得られたローン情報のバッチロードを処理し、社が保有するアプリケーションのデータを更新する作業が行われます。データのフォーマットや構造は、スプレッドシート、データベース、XMLファイル、非構造化データの抽出など多岐にわたります。nCino社が新規顧客を開拓するたびに、異なるシナリオを用意しなくてはならない状態です。

しかし、インフォマティカの製品を使用してわずか1年後、nCino社は顧客ベースを倍増させ、データ統合に割かれていた時間や人的資源にかかるコストを大幅に節約しました。さらに、新規顧客のオンボーディングにかかる時間が数週間から数日に短縮され、より迅速な成長を遂げました。

「Informatica Intelligent Cloud Servicesを使用したことで、顧客データの統合がよりスムーズになり、融資の取引作業にかかる時間が平均34%短縮されたことで、銀行の運用効率が上がりました」と、nCino社のデータ統合サービス担当エグゼクティブ・ディレクターであるマーク・ウッド氏(Mark Wood)は述べています。

API統合でビジネスの成長をサポート

組織の成長を加速させ、優れたカスタマーエクスペリエンスへとつなげるためには、API統合が不可欠です。本ブログでは、API統合へアプローチや、API統合戦略を開発する際に求めるべき8つの機能についてご説明しました。

API統合やアプリケーション最新化に向けた取り組みにおいて、いかなる段階にあっても、堅強なiPaaS、API管理戦略について考えることはとても重要です。


出典

[1] https://www.netskope.com/blog/netskope-cloud-report-hr-marketing-cloud-usage-grows-despite-looming-gdpr-deadline

[2] https://docs.broadcom.com/docs/apis-building-a-connected-business-in-the-app-economy 、7ページ

[3] IDC FutureScape、2019年10月



本ブログは2021年6月8日のAndrew HawthornによるAPI Integration and iPaaS: The Basics and Benefitsの翻訳です。