データドリブン経営に必要な意思決定のスピードを向上~データ分析のためのセルフサービス~

データレイクに蓄積されたさまざまなデータは、ユーザーの意思決定や、新しいビジネスモデルの創出等に利用されることで真価を発揮します。しかしデータレイクには粒度も精度も異なる構造データや非構造データが混在しており、そのままではデータの活用が困難です。 

今回はデータレイクのデータを活用するためのプロセスのひとつ、「セルフサービス」について説明します。 

セルフサービスとは 

ここで説明するセルフサービスとは、エンドユーザー自身がセルフサービス型BIツールを使い、自らデータプレパレーション(データ準備)を行うことです。ちなみにBIとは蓄積されたデータをビジネスに活用できるよう分析・加工することで、こうした作業は従来、IT部門が一次的にデータにアクセスして、エンドユーザーからのリクエストを処理する形で行っていました。 

しかしGUIの進化でBIツールが直感的に操作できるようになったこと、エンドユーザーのリテラシーが向上したこと、そしてビジネスにおけるデータ活用の重要度がいよいよ高まっていることなどから、多くの企業でデータ分析のためのセルフサービスへの切り替えが行われています。 

BIによるデータプレパレーションは、企業がデータを活用するうえで欠かせないプロセスです。しかしその内容は決して簡単ではありません。生のデータからデータの誤りや不整合、異常を洗い出し、データの取捨選択やクレンジングを行い、エンドユーザーが意思決定に利用しやすいよう整理するなど、BIツールの利用者は複雑な作業を一つひとつ確実に処理することが求められます。 

従来のIT部門は、こうしたデータプレパレーションに作業時間の80%を費やしてきました。それでもIT部門の限られたチームではエンドユーザーのリクエストを処理しきれないことが多く、一連のプロセスが完了してデータを活用できるようになるまでには多くの時間が必要となります。 

もちろんエンドユーザー側にとっては、IT部門による処理が完了するまでデータを利用できないのは非常に不便です。ことにビジネス上の意思決定に迅速性が要求される現代においては、データの利用にタイムラグが発生することはビジネス機会の喪失にもつながりかねません。 

この問題を解決するのが、セルフサービスというわけです。 

セルフサービスのメリット・デメリット 

データの準備や分析をセルフサービスで行えることは、エンドユーザーとIT部門の双方にメリットをもたらします。 

エンドユーザーの場合は、タイムリーなデータ活用が可能になることで意思決定のタイミングが早くなります。データプレパレーションを自ら行うことでニーズに最適化されたデータを得ることができ、意思決定のスピードも上がります。 

IT部門の場合、エンドユーザーから絶え間なく送られてくるリクエストから解放されます。これまで業務の大半を占めていたデータプレパレーションが減ることで、より多くの時間やコストを、新しいビジネスモデルの研究などに充てることが可能です。結果として、企業全体の競争力強化にもつながります。 

一方、セルフサービスには課題もあります。 

そのひとつがデータの品質確保です。専門ノウハウを持ったIT部門でさえ、拡張性・パフォーマンス・スループットにおいて一定の水準を維持しつつ、高品質なたデータプレパレーションを行うことは容易ではありません。ましてや平均的なノウハウしか持たないエンドユーザーの場合、効率的に高品質なデータを得ることは難しく、ガバナンスとセキュリティが不十分なデータのサイロ化につながる危険もあります。 

加えて、セルフサービスをエンドユーザーに普及させること自体も簡単ではありません。これまで多くの企業では、Excelやデスクトップデータベース、独自のカスタムプログラムをデータ利用に活用してきました。こうした「手作業」に慣れたエンドユーザーは、全く新しいセルフサービスBIツールの利用に難色を示すことが少なくありません。しかしビジネスの大半がデータ化され、膨大なデータが高速に飛び交う現代において、旧来のツールではライバルとの競争を勝ち抜くことは不可能です。 

セルフサービスの効果を最大化する方法 

セルフサービスのデメリットを解消し、メリットを最大化するためには、エンドユーザーのニーズとデータの品質を両立させ、かつエンドユーザーを効率的にサポートするソリューションと企業戦略が必要です。 

たとえば人工知能(AI)を活用したソリューションは、データプレパレーションに伴う作業の多くをユーザーの代わりに行い、かつ機械学習によって精度の高いレポートを作成することができます。また使いやすいGUIを備えたソリューションなら、エンドユーザーに余分なストレスを与えることなく、新しいツールへの心理的な抵抗を和らげることができます。 

効果的なソリューションを手に入れたら、それを適切に運用するためのガバナンスを策定します。その際に考慮すべきなのは、以下の8つの要素です。 

  • データプレパレーションでデータ品質を改善し、信頼を強化する 
  • データカタログの構築によりデータ検索を高速化・簡素化する 
  • データプレパレーションとデータカタログでユーザーの俊敏性を高める 
  • データプレパレーションの最新化でアナリティクスとデータサイエンスの開発を強化する 
  • データプレパレーションとデータカタログでクラウドデータレイクの価値を高める 
  • データオプス(DataOps)の取り組みを推進する 
  • E2Eの総体的なビューでデータプレパレーションを整流化する 
  • データプレパレーションとデータカタログでガバナンスを向上させる 

目標をすべて達成するのは容易ではありませんが、これらの取り組みはセルフサービスの効果を最大化し、結果としてビジネスにおける競争優位性につながります。 

上に挙げた8つの項目について、より詳しい情報をお知りになりたい場合は右記をご覧ください。