Intelligent Data Management Cloudでマスターデータマネジメントを改善する3つのポイント


本ブログは2021年4月30日のManouj TahilianiによるThree Ways Informatica’s Intelligent Data Management Cloud Improves Master Data Managementの翻訳です。



今年のInformatica World 2021では、CEOのアミット・ワリア(Amit Walia)よりIntelligent Data Management Cloudのリリースが発表されました。(こちらの動画もあわせてご覧ください。)

本ブログでは、Informatica Intelligent Data Management Cloudによってマスターデータマネジメント(MDM)の複雑さ、生産性、スケールなどがどのように改善されるか、詳しくみていきたいと思います。Intelligent Data Management Cloudを利用してマスターデータマネジメントをより高品質にする方法を、3つに分けてご説明します。

1) よりシンプルなマスターデータマネジメント

マスターデータマネジメントを行うためには、データマネジメント機能のコアとなるセットが必要です。 Intelligent Data Management Cloudは、包括的なデータマネジメント機能をマイクロサービスベースのAPI主導アーキテクチャへと統合することで、マスターデータマネジメントの技術アーキテクチャを簡素化することができます。また、マスターデータマネジメントや360度ビューのソリューションを行うことで、データ統合、データ品質、マスターデータ統合、アプリケーション統合といった、管理に必要なコアサービスをオールインワンかつ使用量ベースの価格設定で利用することも可能です。

こちらの図は、Intelligent Data Management Cloudが提供する包括的なサービスと機能をまとめたものです。

Intelligent Data Management Cloudを使うことで、マスターデータマネジメントがオールインワンのソリューションへシームレスに統合され、360度のビューが実現します。信頼性の高いソース、360度ビュー、洞察を提供するサービス内容を簡単に見ていきましょう。

・データのカタログ化-マスターデータが複数のアプリケーション、データベース、データウェアハウス、データレイクに配置され、複数のクラウドやオンプレミスに分散している状態では、データのランドスケープを把握することができません。データをカタログ化する機能を用いることで、データの検索、ドメインやリネージの識別ができ、企業内におけるすべてのマスターデータを把握できるようになります。

・データ統合-マスターデータは、場所を把握するだけでなくまとめてソース間で移動させる必要があります。データ統合の機能を利用すれば、大容量バッチ処理、高度なストリーミング、柔軟にサーバーレスのアプローチをサポートし、マスターデータマネジメントのユースケース対処が行えるようになります。

・データ品質-理想的なマスターデータマネジメントとは、ソース全体におけるデータの正確性、完全性、一貫性が確保された状態を指します。データのプロファイリング、解析、標準化、検証、エンリッチ化などの機能を用いることで、分析の精度や運用プロセスの効率を向上させることができます。

・マスターデータマネジメント-重複しているデータを排除し、ゴールデンレコード(高品質で唯一無比のレコード)で一元管理を行えば、マスターデータの整合性を維持がしやすくなります。また、マッチング、マージ、サバイバーシップリネージなどのマスターデータ統合機能を用いることで、属性のコアセットが企業全体で一貫していることが保証されます。

・APIとアプリケーションの統合-マスターデータのゴールデンレコードは、アプリケーションやソースに配信し、内部システム以外のビジネスプロセスでも共有できるようにする必要があります。メッセージング、API、イベントベースの公開機能を含むデータ編成を行うことで、デジタルビジネスをサポートするマスターデータの配信が管理できるようになります。

・データガバナンス―ビジネスプロセスおいて、マスターデータは重要な存在であるため、高度な管理が求められます。マスターデータポリシーを定義するデータガバナンス機能や、そのポリシーに関するルールがあることで、内部標準および外部規制へのコンプライアンス確保が容易になります。

・データプライバシー―マスターデータには、さまざまな規制の対象となる顧客、従業員、パートナーに関する機密データも含まれています。アクセス制御、承認管理、匿名化といったデータプライバシー機能で、規制に沿って倫理的な機密データマネジメントが行えるようになります。

・データマーケットプレイス―組織全体において、マスターデータを幅広く一貫した状態で使用することで、分析や意思決定の改善につながります。作成と公開、検索と購入、条件実行といった機能を提供するデータマーケットプレイスを備えることで、データ主導の組織を実現することができるようになります。

マスターデータを管理する製品が抱える課題のひとつとしてよく挙げられるのが、提供される機能の幅や深さが制限されていることです。つまり、ベストとは言えない機能を受け入れるか、サードパーティのソリューションを統合する必要が大抵の場合においてあるのです。一方、高品質で柔軟なIntelligent Data Management Cloudのオールインワンアプローチでは、360度ビューを備えたアプリケーションによって作業をシンプルかつ迅速に行うことができます。

技術的負債の削減

ポイントごとのアプローチしかできない製品を使用していると、問題が生じやすくなります。それぞれのポイントに対応したソリューションの接続や更新に時間をかけると技術的負債が発生するため、組織は変化する市場の状況に迅速に対応することができず、パフォーマンスの低下を導く恐れがあります。これはビジネスにとって、大きなリスクです。実際、MIT Sloan Management Reviewの調査に回答したITおよびビジネスリーダーの70%が、技術的負債によってイノベーションの能力が大幅に制限されていると述べています。

システム開発ライフサイクルの簡素化

Intelligent Data Management Cloudが提供する共有サービスは、システム開発ライフサイクルをより扱いやすい状態にします。たとえば、ガバナンスポリシー、品質ルール、マスターデータマネジメントモデル間におけるプロジェクトの依存関係を追跡する作業を自動化し、システム開発ライフサイクルでの開発から品質保証、生産に至るまで、必要なコンポーネントのプロモーションを行います。さらに、マイクロサービスベースの機能を個別に更新して本番環境に移行することで、シンプルかつスムーズなアップグレードが可能になります。

データ検索やデータ使用の簡素化

データへのアクセス、データ使用などのコンテキストもシンプルにすることが可能です。複数の機能が組み合わさっているIntelligent Data Management Cloudでは、マスターデータのナレッジグラフを使用して、マスターデータドメイン(顧客、製品、場所など)と非構造化データおよびコンテンツ(Webチャットログ、サービス契約のPDF、製品メンテナンスのマニュアルなど)間の関係を可視化することにより、より深い洞察を行うことができます。また、データマーケットプレイス機能によって、分析、マーケティングキャンペーン、その他のアクティビティで使用するマスターデータの検索や規制に準拠したアクセスが容易になります。

2) マスターデータマネジメントにおける生産性の向上

これまでにご説明したシンプルな技術的アーキテクチャに加え、事前構築された機能(データモデル、ルール、ワークフロー、ユーザーインターフェイス、即使用可能な150以上のデータコネクタなど)によってマスターデータマネジメントの展開が加速し、生産性が向上します。Intelligent Data Management Cloudは、役割ベース、例外ベースのタスク管理も行い、技術スキルや所属グループの異なる人々が平等にマスターデータアクティビティに取り組める環境をつくります。ワークフローの編成には、責任部門へのプッシュ通知を行い、さまざまな条件に基づいて新しい所有者の自動割り当てやタスクの再ルーティングを行う機能も含まれています。

マスターデータマネジメントにおける生産性向上の例

とある国際的な消費財企業は、ワークフローとセルフサービス機能をシンプルにすることで生産性を大幅に向上させました。具体的な例は以下の通りです。

・ワークフローのステップ数を半減させる

・必要なドキュメントを75%削減する

・サプライヤーの取り込みプロセスにかかる承認時間を80%短縮する

さらに、セルフサービスかつ自動的なデータ品質、検証チェックにより、各地域に数多く存在する規制への遵守が強化されました。また、在庫管理、購買、財務、マーケティングシステムといったアプリケーションへ自動でサプライヤマスターデータの公開を行うことで、この企業では需要の予測、生産計画、財務報告、財務分析などにおける生産性がさらに向上しました。

AI主導の自動化で生産性を大幅に向上

Intelligent Data Management Cloudでは、人工知能(AI)を活用した自動化によって生産性をさらに向上させることができます。CLAIRE AIエンジンによって、自動的にマスターデータの検出やドメインの識別が行えるようになります。また、新規のマスターデータレコードをインポートする際、ソーススキーマとターゲットスキーマ間のマッピングを自動化することも可能です。

こちらの図は、AI主導の自動化によってマスターデータマネジメントにおける生産性を向上させる方法をまとめたものです。

AI主導のデータマネジメントに関するユースケース

生産性を向上させるという点に関して、AI主導のデータマネジメントを行う際に考慮するべきポイントをご紹介します。

・マスターデータの管理:Intelligent Data Management Cloudでは、プレーンテキストを使用したビジネス知識に基づいたデータ品質ルールを作成することができます。また、CLAIREでは自然言語処理(NLP)によってテキストをルールコードに自動的に変換し、ルールをさまざまなソースのマスターデータへ自動的にマッピングしたのち、各ソースでルールを実行させます。さらに、AI機能によって、マッチング、マージ、サバイバーシップのアルゴリズムに基づき、マスターデータレコードの重複排除、統合も自動的に行います。

・分析のためのマスターデータ消費:CLAIREは、分析のコンテキストを広げるのに適した高品質な代替データセットや追加のデータセットの推奨を行います。コンシューマーが適切な権限を持っている場合、データを選択するだけでデータウェアハウスやデーレイクに対するマスターデータのプロビジョニングを自動化することも可能です。

・マスターデータのガバナンスとプライバシー:Intelligent Data Management Cloud内のAI機能を使用することで、個人データなどのマスターデータの分類やプライバシーポリシのマッピングを自動化することができます。クエリでの動的データマスキングや、国境を越えてのマスターデータの転送防止などのポリシー実施が自動化されることで、より効率的な管理が行えます。

3) マスターデータマネジメントのスケーリング

データのソース、ボリューム、ユースケース、ユーザーが増えた場合、マスターデータマネジメントにおいて重要なポイントとなるのが拡張性です。Intelligent Data Management Cloudでは、必要に応じてインフラストラクチャリソースを自動的に調整し、あらゆるワークロードに適応させることができます。

必要に応じたスケールアップとスケールダウン

以下のような機能をとおして、サービスに対するリクエストが増えた場合は適切なインスタンスを起動し、リクエストが拒否され場合はシャットダウンするというように、柔軟性の高いスケーリングが行えます。

・マイクロサービスアーキテクチャ

・Kubernetesによるコンテナ編成

・Sparkによる実行

新しいマスターデータレコードの取り込み、マッチング、マージ、重複排除などは、柔軟な拡張性を備えたマスターデータプロセスだからこそできることと言えます。

マスターデータ検出とドメイン識別を自動的にスケーリング

Intelligent Data Management Cloudは、マスターデータの検出やドメインの識別における拡張性を改善します。コネクタの幅広い配列が事前構築されていることや、クラスタリング、データ類似性、セマンティックタグ付けといったAI技術を用いることで、数千のソースにわたって存在する大量の列を自動的に検査し、マスターデータを検出します。組織が使用しているアプリケーション数は平均して100程度であることから[1]、データ量は年間20%以上、データレイクは30%増加すると考えられます。そのため、マスターデータの検出やドメインの識別をスケーリングする際はインテリジェントな自動化が必要なのです。

マスターデータの更なる活用-カスタマーエクスペリエンスイニシアチブの推進

Intelligent Data Management Cloudを使用すると、マスターデータに関するユースケースの拡張性を改善することができます。たとえばカスタマーエクスペリエンスでは、ビジネス上のさまざまな分野にまたがるプロセスやアプリケーション間においてデータの流れを調整する機能が求められます。インフォマティカの製品には、メッセージング、APIコール、イベントベースのデータフローなど、複数のアーキテクチャパターンをサポートする機能が搭載されています。これにより、顧客とのやりとりに関連したビジネス機能、チャネル、タッチポイントなどでのカスタマーエクスペリエンスを拡張させることができるのです。

こちらの動画で、Intelligent Data Management Cloudがマスターデータの管理フローを編成する流れをご覧ください。

ビジネス機能全体において、全従業員がマスターデータを使用

Intelligent Data Management Cloudは、マスターデータのユーザーに関するスケーリングも行います。構造化データ、非構造化データにまたがる検索機能とグラフベースのネットワークナビゲーションによって、さまざまな技術スキルを持つ人々が容易にマスターデータへアクセスし、そのデータを使用できるようになります。組織内のどの部署においても、幅広く一貫したデータ利用ができる環境を作ることで、ビジネスの成果がより得られやすくなります。

こちらの動画では、通信技術や情報技術の大手企業であるTELUS社でデータサプライチェーンおよびAIプログラムの責任者を務めるジェニファー・イム(Jenn Yim)氏の体験談をお聞きいただけます。動画内では、インフォマティカの製品を通してマスターデータマネジメントを行い、マーケティング、請求、コールセンターなどの機能全体においてカスタマーエクスペリエンスを改善させた方法について述べられています。

マスターデータマネジメントのメリットを実感しましょう

ここまで、Intelligent Data Management Cloudによって、マスターデータマネジメントの複雑さ、生産性、スケールがいかに改善されるかということについてご説明してきました。今回言及した3つのポイントは、すべてつながっているとお考え下さい。つまり、データマネジメントがシンプルになることで生産性が向上し、それに伴ってスケールが拡大することで更に複雑さを改善できるという具合に、相互に影響を与えあいながらフィードバック、自己補強をする関係性なのです。

[1]https://www.okta.com/businesses-at-work/2021/