CDO(最高デジタル責任者)とは?CIOとの違いや必要スキルについても解説

経営の観点から組織のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する「CDO」。新型コロナの影響で業界を問わずデジタル化やオンライン化が加速していく中、近年特に注目を集めている役職のひとつです。この記事ではCDOとCIOの違いをはじめ、CDOの役割や求められるスキルなどについて説明します。

CDO(Chief Digital Officer)とは?

CDOとは「Chief Digital Officer」の略で、「最高デジタル責任者」または「最高データ責任者」と表現されます。先頭にC(Chief:責任者)、末尾にO(Officer:執行役)が付くものとしてはCEO(最高経営責任者)やCFO(最高財務責任者)が有名ですが、CDOもこれらと同じように経営側の役職のひとつです。

CDOはデジタル部門の責任者として、また経営側の立場で、組織のDXを推進する役割を担っています。CDOが登場したのは比較的最近のことで、特に欧米でCDOを設置する企業が急増したのは2010年代の半ばごろからです。

これに対し日本企業のCDO設置はPwCの「2020年Chief Digital Officer(CDO)調査」によると、2016年には8%、2018年は10%、2020年には13%と他国に比べると緩やかではあるものの着実に増加しています。

Chief Data Officerとの違い

CDOと略される役職としては、他に「Chief Data Officer(最高データ責任者)」があります。こちらはデータマネジメントやデータ分析など、企業が保有するデータの活用促進が主な役割です。

これに対しChief Digital Officerは、データに基づく組織の変革やビジネスモデルの変革といった経営判断を行います。デジタル部門を率いつつ、同時に経営的視点も持っているのがChief Data Officerの特徴といえるでしょう。但し、Chief Digital Officerにおいても重大な経営判断をするためには、データマネジメントやデータ分析が土台となります。

なお最近は、単に「CDO」という場合Chief Digital Officerを指すのが一般的です。

CIOとの違い

CDOと混同されやすい役職のひとつに「CIO」があります。CIOは「Chief Information Officer(最高情報責任者)」の略です。主にITシステム保守や運用を担当し、既存の業務プロセスの改善や社内のITセキュリティ担います。

これに対してCDOは、DXを通して新しい業務プロセスやビジネスモデルを生み出したり、会社組織を変革します。経営の視点に立ち、社内だけでなく顧客や競争相手まで視野に入れて行動するのがCIOとの大きな違いといえます。

従来の日本企業ではIT部門が単なるコストセンターとみなされることも多く、そのトップとしてCIOを据えるのが一般的でした。しかしDXの重要性が増したことでIT部門の役割も見直されつつあり、近年ではCIOの代わりにCDOを置く、あるいはCIOとCDOの両方を設置する企業も増えています。

CDOが必要とされる理由

ここ数年CDOへの注目が高まっている背景には、大きく分けて2つの理由があります。

  • デジタルマーケティングの普及

第一の理由はデジタルマーケティングの世界的な普及です。現在、オンラインを活用したマーケティング(たとえばSNSを使ったプロモーションやインターネット広告の活用など)は、あらゆる業界で標準的な手法となっています。

  • 全社的な組織変革の必要性

第二の理由は全社的な組織変革の必要性です。昨今全社的にDXを行うことを重要視する企業が増えてきています。そのためには、部門横断的に指示を出せるCIOより強い権限を持ったリーダーが欠かせません。それが経営側の一員であるCDOです。

CDOに期待される3つの役割

CDOには、主に3つの役割があります。

①デジタルによる企業価値の再創造

すでに説明した通り、CDOには部門横断的なDXを牽引する役目が期待されています。これは部門単位のデジタル化ではなく、組織の構造や企業文化そのものをデジタルによって変革する「企業価値の再創造」です。CDOはそのための企画や戦略立案を行います。

企業価値を再創造するほどの大掛かりな変革には社内での反発も予想されます。そのためCDOは、経営幹部の一員として丁寧な情報発信や事業部門とのコミュニケーションを行うことが求められます。

②デジタルマーケティングの推進

販売促進のための最新オンラインサービスの活用や、顧客管理に各種のデジタルツールを導入するといった「デジタルマーケティングの推進」には、全社的な調整能力や経営側の視点が欠かせません。

③デジタルを活用したビジネスモデルの考案

CDOは組織や業務の変革だけでなく、外部に向けた「新規ビジネスモデル」の作成やアイデア出しも行います。その際にはCDO自身が持つデジタル分野の知識やスキルの活用に加え、社外の専門家などと連携して幅広いネットワークを構築することも必要です。

CDOに必要なスキル・資質について

CDOは全社的なDXを推進するための責任者です。このため、対前提としてデジタル分野の知識、少なくとも技術者と共通言語で話せるだけの知識が求められます。それに加え、他の経営幹部や技術者以外の社員に分かりやすく伝えるスキルも必要です。

まとめ

CDOの役割はデジタル技術の発展とともに拡大しています。こうした傾向は今後しばらく、あるいは半永久的に続くことでしょう。これからの企業には、デジタル時代を生き残るために一日も早いCDOの配置と、そのCDOのもとで全社的なDXに取り組むことが求められています。