データの民主化による組織強化と価値の創出

今日、多くの企業が膨大な価値の高いデータに囲まれています。データを適切に活用すれば、新たな収益を生み出すことができます。顧客ロイヤルティプログラムの改善、一般利用者や組織の行動を理解するためのアナリティクスの適用、インサイトに基づく新製品やサービスの開発、あるいは単に技術革新のスピードアップなど、いずれにしてもデータは組織が新たな成長をするための生命線です。新たな価値の創出には、組織中のデータ利用者がもっとも関連性の高いデータを入手できるようにすることで、データの発見と活用を促進することが必要です


しかし、このように増え続けるデータには代償が伴います。センシティブで業務上重要な情報は、本当に適切な価値の創出につながるのでしょうか。あるいは、リスクを最小限に抑えるためのデータプライバシー規制や消費者の透明性を求める権利強化の潮流によって、データはさらに厳しい精査の対象となり、潜在的な負債となってしまうのでしょうか。組織は、データが適切に利用されるよう統制でき、かつ法令と社内規範に沿い、またビジネス的及び技術的な利害関係者が意図する目的を理解できるような、確かな戦略を必要としています。

結果として、多くの組織は自身のデータが信頼できるかどうか分からないため、実用的な新しいインサイトを得る力をエンタープライ全体に与えるどころか、アクセス制限をしています。カスタマーマーケティングの拡大や業務の生産性の向上などを実現するには、データを民主化し、信頼性の高い統制のとれたデータマーケットプレイスを構築することで、マスタリング及びキュレーションされたデータを活用して競合他社を凌駕するイノベーションを進めることが求められます。これを実現するためには信頼性の確保が不可欠です。では、どうすれば信頼性を確保できるのでしょうか。

信頼性確保が頼れる結果を導きます

信頼性の確保とは何でしょう。そしてどのようにしてデータガバナンスが信頼性の確保を促進するのでしょうか。組織がデータのインサイトを、新たな収益を生み出し、カスタマーエクスペリエンスを向上させ、より効率的なオペレーションを可能にするという価値に変換するためには、データが信頼できる結果を得られるような良質なものであることとともに、適切でコンプライアンスに準拠した使用ができるよう保護されたものであることを確実にするためのコントロールが必要なのです。

IDCによると、現在、世界のデータ量のCAGR(年平均成長率)は61%に達しており、現在のペースでいけば2025年までに世界で175ゼタバイトのデータが生み出されます。実に驚異的な数字ですよね。管理するデータが多すぎると、たとえデータの場所が全て把握できていたとしても、維持する妥当性や、データガバナンスポリシーに沿わない使い方をした時に負債になる可能性が不安要素にもなるのです。

データが適切に使用されるよう統制するためには、確実な方法が必要であることは明らかです。その実現ためには、組織が一丸となるよう調整する努力が必要です。関係者の間で調整を行い、適切な使用のために組織のポリシーが反映されない課題を修正することは、データスチュワードの仕事です。そしてそのためには、重要なプロセスをインテリジェントに自動化する適切なツールが必要です。

インフォマティカは、データガバナンスのベストプラクティスを通してデータを最大限に活用するための6段階のアプローチを開発しました。これらのステップをマスターできれば、信頼性の高いデータの利用が実現するはずです。また、活気あるデータマーケットプレイスを構築し、世界中の各部門にまたがるデータ主導のインテリジェントな意思決定を加速させることができます。なにより、測定可能で市場競争力のある価値をビジネスにもたらすリーダーとしての最高データ責任者やデータスチュワードを確立した恩恵が受けられます。

6つの戦略的ステップ

信頼が確保されたデータの民主化への道のりは、6つの重要かつ不可欠なステップで構成されています。それぞれ簡単に説明しましょう。

1.文書化しコラボレーションする

データを民主化するための最初のステップは、データガバナンスの基盤を確立し文書化することです。次に、文書を基盤とした協力的な文化を育成する必要があります。どんなに入念に考え抜かれた計画であっても、適切で協力的な文化がなければうまくいきません。ボストンコンサルティンググループ(BCG)は、60%の企業が自社のデータガバナンス能力を “未発達 “と評価していることを明らかにしました。高層ビルを建てるのと同じで、信頼できる基礎から始めなければ最上階(例えばデータの民主化という目標)は崩れ落ちてしまいます。現在の自社の状況を確認してみましょう。

2. データの発見とカタログ化

ガバナンスのフレームワークが整備、文書化され、利用者がフレームワークに従いやすい協調的な組織文化ができたら、次はデータを見つける番です。場合によっては、このステップをステップ1と入れ替える組織もあります。マッキンゼーによると、しっかりしたデータのカタログがないと、ユーザーは検索に最大で30~40%もの時間を費やしてしまい、分析や行動に費やす時間が少なくなってしまいます。データの発見は重要です。カタログ化は利用者にとってデータを利用可能かつ使いやすいものにするもので、利用者が特定のデータセットがニーズに合っているか判断するために不可欠です。

3. データクレンジングとマスタリング

次の2つのステップは、データの信頼性の確保に関わるものです。残念ながら、60%の組織がデータの品質と複雑さに悩んでいると答えています。データクレンジングとは、不正確、不完全、無関係、重複、または不適切な形式のデータを削除したり、修正したりすることによって、分析可能な状態になるよう準備するプロセスです。クレンジングが完了したのち、マスタリングすることで唯一の正しいソースが出来上がります。

4. データの保護と監視

データ品質は最後のステップで説明する信頼性確保の重要な側面の1つで、データのプライバシーとその保護はもう1つの側面です。機密データを不用意な誤用やあからさまなデータセキュリティ侵害から確実に保護することは、データへの安全なアクセスを提供するための重要なステップです。価値創出プログラムのためにデータを民主化するということは、プライバシーポリシーに違反した場合の重い罰金や風評被害を回避することにつながります。また、データ利用の監視は、DSARへの応答など、消費者の適正なデータ利用に関わる権利に対応するための透明性を確保するためにも不可欠です。

5. 供給と消費

ステップ5と6は、データをパッケージ化して、適切な場所の適切な人に、適切な形で提供することで、データを素早く発見、分析、そして迅速かつ効率的に使用できるようにするものです。組織は業務担当者がデータを共有して消費する前に、データを分類し、変換し、統合して、高品質で管理されたデータセットに処理する能力が必要です。これが、エンタープライズによる消費のためのデータ供給です。

6. ショップを立ち上げ、価値を提供する

高品質で信頼性があり、保護されたデータセットを作成したら、データマーケットプレイスで公開して利用可能にする準備の完了です。データマーケットプレイスとはeコマースストアのようなもので、社内のデータ消費者がデータ資産を「買い物」できるよう設計されています。データマーケットプレイスは、データ利用者がインテリジェントかつ自動的にデータの閲覧、発見、購入、およびコンテキストの理解ができるようにする、より簡単なエンドツーエンドのエクスペリエンスを提供します。そして権限を与えられれば、ガバナンスポリシーに沿った責任ある使用のためデータにアクセスし、組織をまたぐ新たな価値を創出することが可能になります。

インテリジェンスと自動化がデータの民主化を加速させる

データの民主化を支える新しいセルフサービスモデルを構築することで、経営幹部層からマーケティングから製造に至る組織全体のチームに生産性、効率性、そして確度の高いデータの利用を可能にすることができます。しかし、このデータの民主化という価値ある目標は、データの品質とプライバシーの向上によって推し進められる、強力でスケーラブルなデータガバナンスを実現することによってのみ達成できます。そして、そこに到達するための唯一の方法は、AIと機械学習を駆使したインテリジェントで自動的なデータガバナンスによって信頼性の高いスケーリングを実現することです。



本ブログは11月19日のNathan TurajskiによるDemocratize Data to Empower your Organization and Unleash More Valueの翻訳です。