最高データ責任者(CDO): 課題と機会

最高データ責任者(CDO):1つの職務に4つの役割のブログでは、インフォマティカから委託されたIDCの最高データ責任者(CDO)調査で特定されたデータリーダーシップの4つのアーキタイプについて記しました。
今回のブログでは、これらの各アーキタイプ、Governance Gurus(ガバナンスの第一人者)、Operational Optimizers(運用オプティマイザー)、Analytics Champions(アナリティクスのチャンピオン)、およびDigital Innovators(デジタルイノベーター)の課題と機会について詳しく説明します。
私の以前のブログを読んでいない人のためにお伝えしますと、これらの4つのアーキタイプは相互に排他的ではありませんが、CDOはアーキタイプの1つに重心を持つ傾向があります。

Governance Gurus(ガバナンスの第一人者)は、データガバナンスのフレームワーク、ポリシー、ルール、プロセス、および組織構造を構築し、規制への準拠を確保することに重点を置いています。
彼らは、データを発見し、分類し、そのリネージと、ビジネスプロセスやシステムでどのように使用されているかを理解しようとしています。また、データの共通の定義やビジネス用語集を作成するなど、企業全体でデータリテラシーを向上させる方法も模索しています。


調査では、マルチクラウドソースに保存されているデータ(およびマルチクラウドソース間で流れているデータ)を適切に保護することが、Governance Gurusにとって最も重要な課題であることがわかりました。クラウドデータウェアハウスクラウドデータレイク、アプリケーションモダナイゼーション(SaaS)、APIベースのデータ交換(iPaaS)デジタルコマースの加速およびリモートワークがトレンドになっていることから、私はこの発見に驚きませんでした。私が驚いたのは、回答者のほぼ半数が、保護の課題に対処し、データリスクを軽減するのに役立つ暗号化、マスキング、またはプライバシー管理機能を使用していないと報告したことです。

Governance Gurusはまた、データの発見、分類リネージ、およびプロセスフローマッピングが彼らにとって重要な課題だと報告しています。どのようなデータを所有しているか、プライバシーまたは業界の規制の対象であるかどうか、データの処理方法と共有方法も分からないのです。そのため、彼らにとって上位の重要業績評価指標(KPI)に入る、データのプライバシー、保護、およびセキュリティ関連のインシデントの数を管理することが困難になっています。
回答者の60%はメタデータ管理、データカタログ、またはリネージ機能を使用していないことから、CDOには、これらの課題に取り組む大きな機会があります。

また、スキルの欠如は、企業全体のデータガバナンスと保護において重大な課題を生み出します。 Governance Gurusの75%は、データプライバシー管理の役割を担う人が4人以下で、25%はデータスチュワードがまったくいないと報告しています。人的資源が非常に少ないため、機械学習と人工知能を使用してデータ管理アクティビティを自動化および拡張するテクノロジーは、CDOの成功に不可欠となります。

Operational Optimizers(運用オプティマイザー)は、組織の運用をサポートするためのインフラストラクチャ、ツール、テクノロジー、プロセス、およびシステムの構築と展開に重点を置いています。
彼らは、データがすぐに利用可能であり、運用効率とビジネス生産性を推進するために使用できるようにすることを目指しています。また、ビジネスプロセスとデータ管理アクティビティを自動化してコストを削減する方法も模索しています。


クラウドは、彼らにとっても最も重要な課題でした。ただし、それらの問題は、SaaSアプリケーションのデータ移行、品質、および一貫性に関するものでした。 SaaSアプリケーションは、コスト削減、生産性の向上、ビジネスの回復力の向上という潜在的なメリットを提供しますが、所有しているデータや移行するもの、アーカイブするもの、削除するもの、およびデータを新しいアプリケーションデータベーススキーマにマッピングして変換する方法を理解していないと効果が損なわれる可能性があります。
マスターデータガバナンスは、CDOがマスターデータドメイン全体でコア定義を標準化するのに役立ちます。これにより、アプリケーション間で属性をマッピングし、移行されるデータの正確性と完全性を検証し、SaaSアプリケーション全体でマスターデータの一貫性を確保するアクティビティの効率と効果が向上します。

Operational Optimizersは、ビジネス用語の技術メタデータへのマッピング、および一般的なビジネス定義でのコラボレーションが重要なデータの課題であると報告しています。
運用効率とコスト削減に関連するKPIが彼らの成功の上位3つの指標のうち2つを占めているという事実を考えると、カタログとビジネス用語集機能を使用している人が非常に少ないことに驚きます。用語集の定義を技術メタデータフィールドにリンクするなどのタスクを自動化するための人工知能(AI)と機械学習の使用、およびデータ分類とそれらの分類に基づくデータへのガバナンスポリシーのマッピングにおいて、CDOは生産性を向上させることができます。

データへの信頼の欠如は、分析および運用プロセスのためのデータの使用を運用化する上で重大な課題を生み出します。そして、それはデータの品質への信頼だけでなく、データの適切な使用に対する信頼でもあります。
アクセス、使用、共有に関するポリシーは? それが不明な場合は、誰に相談すればよいでしょうか?

データガバナンスとデータプライバシー管理機能は、Operational Optimizersが、データのコンプライアンスと倫理的な使用を構成するものに対してより高い透明性を提供し、より良いビジネス成果を推進するためにその使用をスピードアップおよび拡大するのに役立ちます。

Analytics Champions(アナリティクスのチャンピオン)は、ビジネスパフォーマンスの監視と、ビジネスの成果の変化に役立つ洞察づくりに重点を置いています。彼らは、レポート、予測、計画、分析の速度と精度を向上させて、パフォーマンスの透明性を高め、意思決定を加速して変化する条件に迅速に適応する方法を探しています。彼らはまた、機械学習と人工知能を使用して、分析を自動化し、予測性を高める方法も探しています。


当然のことながら、クラウドデータウェアハウス、クラウドデータレイク、およびクラウドデータレイクハウスは、彼らにとって最大の課題です。非常に多くのソースからバッチおよびリアルタイムで大量のデータが取得されるため、データが分析のユースケースに適合していることを確認することは困難です。データプロファイリング、クレンジング、およびエンリッチ化機能を実装すると、データをクラウドに移行するための準備だけでなく、クラウドでのマシンラーニング(MLOps)アクティビティ用のデータの準備にも役立ちます。

調査は、組織が新型コロナウィルスパンデミックからの最初の影響に対処しなければならなかった2020年の2月から4月の間に行われました。優先順位は急速に変化していました。また、CFO(最高財務責任者)にとっては、キャッシュフローと流動性管理が最優先事項であり、デジタルコマースは前例のないペースで加速し、世界中のサプライチェーンが混乱していました。
調査の中で、重要な課題として焦点を当てるべき最優先事項の整合性の欠如を数多くのAnalytics Championsは報告していますが、この状況が影響を与えた可能性があります。

整合性の獲得に役立つ方法として、CDOはデータリネージとプロセスフロー機能を使用して、分析プロセスと運用プロセスでデータがどのように使用され、ビジネスの成果に影響を与えるかを示すことができます。
過去数か月にわたってどのCDOからも聞いたのは、ビジネスの回復力と継続性を確保するために、ビジネスで何が起こっているかの分析や複数のシナリオの作成、計画の迅速な調整による、新型コロナウィルスの影響に対処するためのデータが必要である、ということです。調査では、データの使用とビジネスの俊敏性を加速できるセルフサービスのデータアクセスを可能にすることが、Analytics Championsにとっての重要な課題として挙げられました。
データマーケットプレイスを使用すると、品質ステータスとガバナンスポリシーのコンテキストを使用してデータ資産をキュレート・公開できます。カテゴリで閲覧するか、用語集、ドメイン、品質、データの分類などの基準に基づいて検索することにより、データ資産を購入できます。また、データプロビジョニングプロセスの一部としてマスキングを適用するなど、プライバシーと保護のポリシーを適用して、規制への準拠を確保することができます。

Digital Innovators(デジタルイノベーター)は、データとアナリティクスを使用してビジネス価値を生み出すことに重点を置いています。彼らは、現在の顧客からより多くの収入を捻出したり、新しい市場への参入や、製品、サービス、ビジネスモデルを革新するといった、データを収益化する方法を探しています。また、ビジネスプロセスをデジタル化・自動化により、摩擦のないエクスペリエンスを作成する方法も模索しています。


クラウドは、彼らにとっても重要な課題です。 新型コロナウィルスをきっかけに、企業はクラウドへの移行を加速しました。その移行の推進力の1つは、新しいデジタルカスタマーエクスペリエンスを迅速かつ効果的に展開できることでした。多くのCDOは、以前は数か月かかっていたことを数日で行っていると報告しています。あるブランドを信頼する消費者は、購入の機会がある際にはそのブランドを最初に購入する可能性が2倍以上あり、ブランドロイヤリティを保ち続け、そのブランドを推奨するため、彼らにとって、保存時およびクラウド内で流れているデータにデータプライバシーおよび保護機能を実装することが肝要です。

Digital Innovatorsはまた、主要な利害関係者がデータおよびアナリティクスイニシアチブのビジネスへの影響について非現実的な期待を抱いていると報告しました。データリネージとプロセスフローマッピングは、CDOが複数のチャネルとタッチポイントにまたがるカスタマージャーニーのどこで摩擦ポイントが発生するかを示すのに役立ちますが、従業員が新しいビジネスモデルや働き方に適応するスキルを持っていない場合、カスタマーエンゲージメントプロセスのデジタルトランスフォーメーションには効果が生まれません。 Innovation leadersは、才能への投資は成功およびスキルトレーニングを提供するための創造的な方法を見つけるための重要な要素であることを理解しています。
データのビジネスコンテキストも、デジタルトランスフォーメーションを成功させるために重要です。たとえば、財務プロセスの自動化はCFOの主要な議題項目ですが、現金化の指示や支払いの調達などのプロセスの自動化には、顧客、サプライヤー、注文書、支払い条件、請求書における共通の定義と理解が必要です。Digital Innovatorsには、すべての利害関係者が共通のビジネス定義で共同作業することを容易にする機能の実装を図ることにより、デジタルトランスフォーメーションの取り組みの成功をサポートする機会があります。ビジネスについての言語とデータの統一化により、マグロウヒル・エデュケーションは出版業からデジタルベースのサブスクリプションビジネスに変革することができました。

データリーダーシップの異なるアーキタイプについての課題についてのご意見をお聞かせいただきたいと思っております。最も難しい課題はどれだとお考えですか?取り組んだ場合、最大の影響を与える可能性があるのはどれだと思いますか?これらの課題に対処するために、どのようなベストプラクティスを同僚と共有できますか?

データリーダーシップの4つのアーキタイプの課題と機会は、CDOについての調査からの1つの洞察にすぎません。詳細については、IDC Infobriefをダウンロードください。


本ブログは10月1日のDan EverettによるChief Data Officers: Challenges and Opportunitiesの翻訳です。