失敗しないハイブリッドクラウド統合ソリューションの選び方

成長のための新たな道筋の発見、チャンスの獲得、問題を早期発見、ビジネス要件や市場の変化に応じた方向転換など、現代の企業にとって絶対に外せない3つの要件――それは、高品質なデータ、クラウドコンピューティング、俊敏性と適応性を備えたソフトウェアです。

ほとんどの組織は、すでにオンプレミスや複数のクラウド上のデータベースやアプリケーション、IoTストリーム、ソーシャルネットワークに大量のデータを所有しているため、データの取得に支障があるわけではありません。しかし、問題となるのは、集めたデータから最大限の価値を引き出して、データに起因するさまざまなビジネス上の課題に対応できる柔軟性を維持するには、どうすればよいかということです。そこで必要となるのが、マルチクラウドの統合サービスを提供できるハイブリッドクラウド統合プラットフォームです。

今回は、クラウド統合プラットフォームを選ぶ際に考慮すべき点について説明します。

ハイブリッドクラウド統合とは?

ハイブリッドクラウド統合ソリューションは、クラウドとオンプレミスが混在するハイブリッド環境において、データを接続、移動、統合、変換、管理するためにあります。企業がクラウドへ移行する理由は、データセンターをクラウド化して最新化するためだけでなく、データウェアハウスやデータレイクを再構築し、分析能力やビジネスの機敏性を高めてコストを削減するためでもあります。そのためには、すべてのデータを、信頼できる方法で移動・変換できる能力が必要です。また、データを最大限に活用するためにデータを可視化するメタデータ(データに関するデータ)が、これまで以上に重要となります。


失敗しないクラウド統合ソリューション選びのポイント

1.あらゆるデータに対応できるインジェスチョン機能

データインジェスチョン(データの取得/取り込み/加工)は、特に大量のデータをデータウェアハウスやデータレイクに取り込む必要がある場合において、ハイブリッドクラウド統合の要となります。統合を監督するために多くの人手を必要とせずに、あらゆるソースとデータタイプに対応できるのが、優れたデータインジェスチョン ソリューションです。
多種多様なファイル、データベース、ストリーミングソース(ログファイルやクリックストリーム、Kafka、IoTデバイスなど)から、大量のデータをバッチまたはリアルタイムに取得・編成して、任意のターゲットソース(データウェアハウスやデータレイク、メッセージング・ハブ/キューなど)にストリーミングできる能力が必要です。


2. クラウドデータ統合に必要な機能

クラウドデータ統合は、あらゆるハイブリッド環境におけるクラウド統合プラットフォームの基盤であり、クラウドデータ統合のためのツールは、オンプレミスやクラウドにわたって複数のアプリケーションとデータソースに接続できることが条件となります。また、クラウド統合ツールは、IT部門に限らず、多くの業務ユーザーが利用することを考えると、使いやすいかどうかが重要です。

データの抽出・変換・ロード(ETL)のためにクラウドデータ統合ツールを使用しているならば、Amazon Redshift、Microsoft Azure SQL Data Warehouse、Google BigQuery、Snowflakeなどのクラウドデータウェアハウスとの接続があらかじめ定義されていて、すぐに使えるコネクタがあるかどうかを確認しましょう。データを同期・複製する機能も搭載されていることも必要です。

また、データレイクやデータウェアハウス内で、大量のビッグデータを大規模に処理する必要がある場合には、弾性のあるクラウドデータ統合機能が必要になります。
弾性のある統合とは、サーバを持たない実装のことであり、つまり、データフローだけを設計すれば、任意に選択したクラスタ上で統合を自動実行して、必要に応じて自動的に拡張できるということです。ビッグデータ処理をクラウドへ移行を検討しているのであれば、弾性のあるクラウドデータ統合を選ぶことが重要です。


3. アプリケーションを統合するために必要な機能

アプリケーション統合は、クラウド統合プラットフォームが持っているべきもうひとつの重要な機能です。あるデータソースから他のデータソースへデータを伝播するためには、プロセス編成やAPI、メッセージングを使用して、アプリケーションをリアルタイムに統合できる能力が必要です。
また、業務部門と顧客、パートナーを、アプリケーションやプロセス、データと接続するインテリジェントなAPIを作成できる機能も必要です。クラウドアプリケーション統合ソリューションは、マルチクラウド環境とハイブリッド環境で動作し、IT部門だけでなく、業務部門の誰もが簡単に使えることが重要となります。

また、コーディングが一切不要あるいは少ないコードだけでAPIを作成できることがポイントです。レガシーシステムにあるビジネスロジックやデータなどの知的財産を抽出する上で、APIは重要な役割を果たします。APIを使えば、柔軟な疎結合の状態で統合することで、スパゲティ状に絡み合うことを回避することができます。APIを適切に保護、統制、管理することができれば、データとアプリケーションの迅速な統合や、SaaSの統合、レガシーシステムの最新化を実現し、知的財産をマネタイズして、新たな収益ストリームを発見する機会を得ることができます。


4. パートナー管理プロセスへの対応

付加価値ネットワーク(VAN)や旧式のオンプレミスソリューションを使ってサプライチェーンパートナーを管理するという従来のやり方は、15年も前の古いテクノロジーであり、もはや実行可能な選択肢ではありません。加速するビジネススピードに追随するためには、AI駆動の自動化とクラウドの柔軟性を活かして、パートナーのオンボーディングと管理を迅速化できることが必要です。
優れたクラウド統合プラットフォームには、クラウドB2B機能が組み込まれており、あらかじめ用意された電子データ交換(EDI)処理と検証、包括的な監視と追跡管理機能を使ってEDI処理を簡素化することができます。クラウドの低い所有コスト、定期的な自動アップグレード、柔軟性、伸縮性に加えて、IT担当者と非IT担当者の両方が簡単に使用できるツールがあることを考えれば、クラウドB2Bゲートウェイがハイブリッドクラウド統合プラットフォームに不可欠な要素であることは明らかです。 


5. 異なるレイテンシやセルフサービス要件への対応

データから最大の価値を引き出すためには、オンプレミスやクラウドにある何百ものデータソースやターゲットシステムにさまざまな頻度で接続し、異なるデータタイプやデータ構造に対応できなければなりません。これらの多種多様なデータ統合をポイントツーポイントに接続するようなやり方では、接続ポイントが多すぎてがんじがらめになり、統合を効果的に管理して変更することはできません。パブリッシュ/サブスクライブ方式でデータ統合を実現する最新のハイブリッドクラウド統合なら、統合のもつれを解消することができます。パブリッシュ/サブスクライブ方式のアーキテクチャは、次のような統合上のメリットを提供します:

・ハイブリッド環境におけるデータとアプリケーション統合の複雑さを合理化
・データフローの統制と同期
・リアルタイムストリーミングから計画的なバッチスケジュールに至るまで、任意のレイテンシでイベントに応答
・データを民主化し、組織内の開発者以外のユーザーがセルフサービスでデータにアクセス


ハイブリットクラウド統合におけるiPaaSの重要性

サービスとしての統合プラットフォーム(iPaaS)は、従来のデータ統合方式に代わるクラウドフレンドリーな手段であると言えます。iPaaSなら、従来よりも少ない労力とコストで、オンプレミスとクラウドに分散したアプリケーションやデータを集めて、信頼できるひとつのデータソースを作成することができるからです。統合に関する専門知識の高いユーザーだけでなく、一般ユーザーでも統合機能を使えるように民主化することで、プラットフォームの運用に時間を費やすのではなく、プラットフォームから価値を得ることにシフトすることが重要です。(iPaaSの利点について詳しくはこちらをご覧ください。)

統合のユースケース、AIと機械学習駆動の自動化

iPaaSは、クラウド上にあるシステムを継続的に自動更新する完全に管理されたサービスであり、ソフトウェアを手動でアップグレードして保守する必要がありません。マルチクラウド環境やハイブリッド環境におけるデータ管理のあらゆるユースケースで、あらゆるデータとあらゆるタイプのユーザーに対応できるのが、真の次世代iPaaSです。単なるデータ統合やクラウドアプリケーション管理の域に留まらず、より複雑なデータ統合と接続要件に対処できるように発展できるものでなければなりません。そして、組織の現在のニーズだけでなく、ビジネスの変化と成長に応じて将来の需要にも対応できることが重要です。


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