データドリブン サプライチェーンの5つの課題:解決のためにできることとは


ここ数年の不安定な市場傾向や顧客需要の激しい変化、サプライチェーンの寸断を脅かす新たなリスクの出現は、すでにサプライチェーンの管理者たちに多くの試練を与えてきました。しかし、パンデミックによる新たな現実は、彼らにさらに多くの試練を課すことになりました。ビジネスの洞察力と俊敏性を高めて、サプライチェーンのレジリエンス(回復力)を確立することは、CPO(最高購買責任者)やCFO(最高財務責任者)、サプライチェーン管理者にとって長年の優先課題となってきましたが、パンデミックによって、その緊急性ははより一層高くなりました。CFOの31%が、新型コロナウィルス感染症の流行に関連する3つの重要懸念事項のうち、その1つがサプライチェーンの問題であると考えています。

サプライチェーン問題のほとんどは、当然ですがデータに起因しています。サプライヤや製品、材料、顧客に関するデータをエンド・ツー・エンドに把握できる洞察がなければ、需要のマクロトレンドをより深く理解することや、サプライチェーンが中断した時に、適切な代替サプライヤを迅速に特定することはできません。

ここでは、パンデミックによって重要度が高まったデータに起因するサプライチェーンの5つの課題について説明します。

1.可視性の欠如による俊敏性と意思決定能力の低下

多くの場合、サプライヤのデータは古く不完全な状態で、製品ラインや地域によって異なる何十あるいは何百ものシステム(SCM、サプライヤ関係管理、ERP、会計・買掛金管理システムなど)に分散しています。貴重なデータは、スプレッドシートやデータベース、ファイルストレージに埋もれており、データ構造やデータモデルも異なります。また、非常に貴重なデータ資産が、異なる業務部門や調達部門、支店などに日々蓄積されているのですが、サプライヤから下請企業に至るまで、すべてのサプライヤデータを統合して、問題が起こる前に迅速に行動できるような信頼できる完全な統合ビューは存在しません。


事実:

  • 65%の調達リーダーが、一次サプライヤの下請会社を限定的に可視化、あるいは全く可視化できないことがわかっています。
  • 76%のCFOが、「信頼できる唯一のデータ」がなければ、ビジネス目標を達成するのは難しいと認めています。

調達部門や財務部門にとって、サプライヤを全方位から把握できる360度ビューは、サプライチェーンや供給ネットワーク全体を把握する上でますます重要となっています。サプライチェーンのレジリエンスを高めるためには、代替サプライヤを迅速に特定して取引を開始できるようにワークフローの自動化が必要です。また、サプライヤデータへのアクセスを一元化すれば、サプライヤデータの可視性と透明性が高まり、すべてのサプライヤとの関係を理解して、サプライチェーンの洞察と意思決定能力を高めることができます。

2.低品質なデータによる数百万ドル規模の損失

どれほど素晴らしいサプライヤ情報管理ソリューションがあっても、データが古くて不正確で不完全だと何の役にも立ちません。実際、サプライヤデータの品質が低い場合、不適切な意思決定、非効率なロジスティクスやオペレーション、調達情報不足による機会費用の増加により、数百万ドル規模で損失になる場合があります。


事実:

  • CPOの93%が、今後12か月間の自社の優先課題に「コスト削減」を挙げています。
  • CPOの60%が、調達の重要な課題の5つに、マスターデータの品質、標準化、ガバナンスの低さを挙げています。

サプライヤ管理のワークフローにデータ品質の自動チェック機能を組み込めば、サプライヤデータの品質を効果的に改善して、手作業による手間とコストを削減することができます。

3.手作業による製品市場投入の遅延

手作業でサプライヤデータを管理していると、手戻りや余計な手間がかかり、製品を市場に投入するまでの時間が大幅に遅れてしまいます。新しいサプライヤとの取引開始までに何週間も何か月もかかっていると、機会費用が増えて、取引機会を失うことになります。


事実:

  • 68%のCPOが、「調達プロセスの自動化と改善」を自社の最優先課題に挙げています。
  • 60%の企業が、ワークフローの割り当てやサプライヤ関係管理に、全くツールを使用していないか、あるいは即席で手を加えたMS Officeツールに頼っています。

サプライヤや製品に関する情報管理のワークフローを自動化すれば、新しいサプライヤとの取引開始までの時間を最大80%短縮することができます。また、新規サプライヤとの取引開始までのワークフローを合理化して自動化し、サプライヤにセルフサービス機能を提供すれば、新製品の市場投入までの時間を最大10倍短縮することができます。

4.ガバナンス基準と透明性の欠如によるリスクの増大

ここ数ヶ月間で、サプライチェーンはさらに不確実になり、その継続性を脅かすリスク要因は増えています。サプライチェーンの管理者たちは、サプライヤのコンプライアンスやパフォーマンスを監視して、サプライヤのリスクを評価することに苦戦しています。


事実:

  • 93%のCPOが、リスクの低減を自社の最優先課題に挙げています。

サプライヤのコンプライアンス状況やパフォーマンスを監視して評価できる360度ビューがあれば、サプライヤのリスクを低減して、サプライチェーンの中断時にはすばやく代替サプライヤにアクセスできるようになります。そして、サプライヤに関連するすべてのアプリケーションやBIツール、分析プログラムで利用するデータの鮮度、ガバナンス、信頼性を高める必要があります。そうすれば、財務部門や法務部門、サプライヤ関係管理部門は、サプライヤのリスクとコンプライアンスをより簡単に監視、分析できるようになります。

5. 消費者の信頼とロイヤリティを左右する持続可能な調達とトレーサビリティ

もうひとつ覚えておくべき重要なことがあります。それは、消費者が購買を決める要因となる企業への期待にどのように応えられるかです。ユニリーバのような一流ブランドやPVHのような小売企業は、エコロジカルで社会的な持続可能性とトレーサビリティを重視したサプライチェーンとマーケティングに力を入れており、これが長期的な成功への重要な推進力になると考えています。責任と透明性のある調達と持続可能性は、新しいサプライヤとの取引を決める際にますます重要な要素となります。


事実:

  • 消費者の63%は、サプライチェーンのトレーサビリティを重視しており、信頼できない企業から製品やサービスを購入しないことがわかっています。
  • CEOの99%は、持続可能性が将来的なビジネスの成功のために重要だと考えています。

消費者の信頼を勝ち取るためには、製品や原材料、調達について、消費者が信頼できる関連性の高いデータを提供し、ブランド独自のシームレスな購買体験を実現する必要があります。そのためには、新規サプライヤとの取引開始時や、パフォーマンスを監視する際に、コンプライアンス、透明性、持続可能性を考慮することが重要です。

サプライヤの360度ビューでリスクとチャンスを評価し、年間数百万ドル規模で節約する方法について、詳しくは電子ブック「サプライヤ情報管理~混沌としたサプライヤデータが原因で発生する多額のコスト」をご覧ください。


本記事は、「5 Data-Driven Supply Chain Challenges—and What You Can Do About Them」の抄訳です。