ハイブリッド統合プラットフォーム構築までの3ステップ

データマネジメントと統合マネジメントは、企業のテクノロジー・IT戦略において、もはや無視できない存在になっています。今日のプラットフォームには、デジタルトランスフォーメーションを推進し、軽量なマイクロサービスや高度な分析機能を採用できるような、高度な能力が求められています。そして、このようなモダナイゼーション(最新化)への取り組みの中心にあるのが、クラウドテクノロジーです。多大な労力をかけて構築した既存システムはオンプレミスにあり、多くの企業は、オンプレミスへの投資を部分的に残しつつも、徐々にクラウドへ移行することを計画しています。

進化し続けるハイブリッド・マルチクラウド環境において、ハイブリッド統合プラットフォーム(以下、HIP)は、組織全体にわたって包括的にデータと統合を管理するためのフレームワークとなります。HIPは、オンプレミスやクラウドにあるデータを管理し、統合するために必要なあらゆるツールを集結して提供します。

「問題は、HIPが必要かどうかではなく、どれだけ早く必要になるかです。」

Eckerson Group、データ管理プラクティスディレクター、Dave Wells氏

クラウドによるデジタル・モダナイゼーション

クラウドの持つ柔軟性や俊敏性、拡張性、さらには新しいイノベーション(高度なアナリティクスやAIプラットフォームなど)を利用できるメリットなどが注目されるようになったことにより、クラウドを採用する動きが加速しています。既存アプリケーションのアーキテクチャやプラットフォームを見直し、クラウドのホスティング環境へ移行するのであれば、システムのパフォーマンスと管理効率を改善できるように、統合の複雑性を解消して最適化する必要があります。

オペレーション、プロセス、システム全体の急速な変化

急速に進化する現代のビジネス環境において、企業は、既存プロセスの最適化、もしくは旧システムを最新化することにより、可能な限りビジネスを効率化することを目指しています。例えば、パートナーとの取引開始までのプロセスを最新化し、迅速化を図るならば、これまで利用してきた従来型のEDI(電子データ交換)に代わって、最新のB2BゲートウェイでEDI処理を簡素化するか、APIベースのシステムへ移行することを検討するかもしれません。また、オンプレミスで運用してきたエンタープライズデータウェアハウスをクラウドへ移行し、データウェアハウスを最新化するのであれば、クラウド統合やデータの取り込み、データをカタログ化するための最適なツールと統合コネクタが必要になります。

企業全体におけるデータ、アプリケーション、ユーザーの増加

現代の組織は、幾何学的なペースでデータを生成し続けています。このような状況で、多種多様なシステム間のデータを統合・管理できる適切なツールがなければ、事態はすぐに混乱してしまいます。ESB(エンタープライズ・サービス・バス)などの従来型のツールで、今の作業負荷を処理するのには限界があります。そこで、クラウド環境で動作し、優れた拡張性と広範な統合機能を提供できるiPaaSで処理能力を補完するのが、優れたアプローチであると考えられています。

ビジネスアナリストからデータサイエンティストに至るまで、データを利用するユーザーの種類と数が増加し、さらには統合のスペシャリストから一時的な利用者、一般ユーザーに至るまで、様々なタイプの人が統合を利用するようになった今、統合・データ管理プラットフォームには、役割に応じたユーザーアクセスやデータガバナンスの改善から、単純なセルフサービス機能に至るまで、より多くのことが求められるようになっています。統合ニーズが広がれば、システムの標準化、簡素化、最適化を求める声はより増えるでしょう。

ハイブリッド統合プラットフォーム戦略に着手するための3ステップ

ステップ1:主要なニーズとギャップを把握する

HIP戦略を構築する際は、既存の統合プラットフォームを理解した上で、中核となるビジネスイニシアティブを決定し、データ統合とデータ管理目標を達成する上で問題となるテクノロジーのギャップを特定することから始めます。

多くの組織が、このタスクを実施するための「統合戦略支援チーム(ISET)」をすでに立ち上げているかもしれません。まだない場合には、必要に応じて統合タスクを実行するチームを土台にISETを組織化します。次に、現在のデータとアプリケーションの状況を明確化して、どのようなギャップがあるのかを判断し、統合・データ管理のベストプラクティスやアセットを、組織全体で再利用できるようにします。

ステップ2:中核となるコンポーネントとビルディングブロックを選択する。

HIP採用の原動力のひとつが、デジタル・モダナイゼーションです。クラウドデータウェアハウスなどの新しいテクノロジーの導入、あるいはSaaS採用による既存のテクノロジースタックの最新化など、様々なデジタル・モダナイゼーションを推進し、現在および今後のユースケースをオンプレミスあるいはクラウドでもサポートできる適切なHIPツールと機能を見極める必要があります。

以下は、HIPが提供するコアの能力とツールセットの一部です。

HIPプラットフォームを構成するツールのサブセット。iPaaSなどの一部のツールは、API管理やB2Bなどを含む多数の機能に対応することが可能。

ステップ3:段階的なアプローチで導入する

HIPを構築する際には、既存の資産を再利用しつつ、iPaaSなどのテクノロジーでそれを補完して、新しいプロジェクトを実行するという段階的なアプローチを取ることをお勧めします。新しい要件やプロジェクトが出現すれば、HIPも進化します。新しいツールをテストしてコアのフレームワークにプラグインするだけで済むような場合もあります。もちろん、異なるツールやテクノロジーが、互いに干渉せずに機能すればよいのですが、テクノロジー基盤となるプラットフォームが同じでない限り、そうなることはほとんどありません。

ハイブリッドデータ統合のより詳しい内容については、以下の資料を参考にしてください。

電子ブック: 30分でわかるマルチクラウド/ハイブリッドAPIとアプリケーション統合 >>

ソリューションブリーフ:マルチクラウドおよびハイブリッドデータ管理の課題をiPaaSで解決~あらゆる統合パターン、データ、ユーザーに対応する次世代ソリューション


本ブログは1月8日のHybrid Integration Platform: 3 Critical Drivers for Your HIP Strategyの翻訳になります。