顧客の360度ビューを銀行の頭脳に変える

最近のForbesの調べによると、全体のうち46%の銀行が、顧客へ適切な商品やサービス提案をする際に、顧客データを十分に活用できていないとの結果が出ています。また、ローンなどの利益の大きい商品のクロスセルの成功確率は 57%にとどまっていることが、複数の調査で明らかになっています。

データを活用できていないことによる失敗例

顧客の全体像が分からないと、顧客にとって本当に必要な提案ができないだけでなく、売上に繋がらない、顧客のマイナス感情を引き起こすといった顧客離れの原因になりがちです。例えば、次のような状況です:

  • 「賃貸住まいの私に、なぜ銀行は住宅ローン借り換えの案内を送ってくるのでしょう。私にはまったく関係がないのに・・・」
    =>重複した古いデータ、整合性や未連携のデータを使用すれば、顧客体験にマイナスの影響を与えます。
  • 「オンラインで証券取引口座を開こうとしたが、手続きがややこしいので諦めました。そこで支店に行ったのですが、オンラインで入力した情報の記録が残っておらず、最初からやり直すことになりました。」
    =>カスタマージャーニーにおけるストレスは、顧客体験の質を損ないかねません。

消費者中心のデジタル世界に必要なイノベーション

顧客は常に進化しています。転居やマイホームの購入、就職から定年までの職業の変化、結婚や出産に伴う家族構成の変化、収入の増減など、顧客のさまざまなライフイベントを通して、銀行は、変化し続ける顧客の置かれている状況を常に正確に把握し、最適な提案ができなければなりません。

しかし一方で、インターネットやスマホに代表されるテクノロジーが消費者生活に浸透し、誰でもいつでも、手軽に最新の情報を手に入れられるようになった今、顧客は、銀行へ足を運ばなくても、インターネットで自ら欲しい情報を検索・比較し、銀行を選ぶようになりました。実際、Ernst & Young 社が行った最新のグローバル消費者銀行調査によると、82%の顧客が金融商品に関する予備調査をオンラインで行っています。

また、インターネットバンキングの普及によって、顧客は、従来の支店窓口や電話によるやり取りだけでなく、Web やモバイルなどのデジタルチャネルを含めた複数の方法で銀行と取引を行うようになっています。

このような今日の消費者主導のデジタル世界において、銀行が差別化を図るためには、顧客との1対 1の関係を育み、顧客のニーズを理解して、顧客の行動を予測し、顧客のライフイベント全般にわたって最適な体験を実現できるようなイノベーションに取り組まなければなりません。

コアデータとビッグデータを結びつけるCustomer 360

そこで、今、注目されているのが、AI(人工知能)を搭載したCustomer 360(顧客の360度ビュー)ソリューションです。Customer 360は、顧客情報の中核となるマスターデータ(氏名、住所、家族構成、年齢、連絡手段など)を複数チャネルにわたって同期させます。これにより、正確で最新の状態に管理することは勿論、銀行システムや口座、ローン、住宅ローン、Web サイト、コールセンター、マーケティングなどの複数ソースからのデータを照合・リンクして連携させ、さらにはPDF、文書、メモ、契約書、電子メール、チャットボット、画像などの非構造化データを取り込むことで、顧客を全方位から理解するためのインテリジェントな顧客プロファイルを構築します。

Customer 360は、社内のデータソースだけに限らず、ソーシャルメディアを含む社内外のさまざまなチャネルにおける顧客のトランザクションやインタラクションを記憶し、顧客のライフイベントや顧客の行動、意図、感情、興味、商品の優先指向などのインサイトを引き出します。それにより、高度にパーソナライズされた顧客中心の商品やサービスを提供することが可能となります。

デジタル時代の今、このようにCustomer 360を「銀行の頭脳」として活用することができれば、顧客にとってシームレスで優れた体験に置き換えることができ、顧客維持率を改善することが可能となります。具体的には、次のようなユースケースを実現します:

•利用可能なすべてのデータを使用して、顧客の関係、好み、行動、ライフイベントについて理解する。また、センチメントに基づいた顧客のセグメント化を行い、さまざまな地域や属性(保有している商品、純資産、リスクなど)の顧客グループを分析することで、高度にパーソナライズされた関連性の高いキャンペーンを提供する。

•富裕層の顧客や高リスクな顧客を特定し、銀行取引からのインジケータに基づいて、潜在的な顧客のニーズや問題に先回りして対応することで、顧客離れを防ぐ。

•スマホやパソコンなどのデバイスからオンライン、支店へと続くカスタマージャーニーを最適化してパーソナライズし、最適なタイミングで顧客の共感を得られるようなカスタマイズされたサービスを提案する。

•当座預金口座や住宅ローンなどの基盤商品の有望な見込み客を特定し、クレジットカードやローンなどの利益率の高い商品のクロスセル/アップセルの可能性を発掘し、売上を改善する。

• 疑わしい関係や行動を異常なアクティビティとして検出することで、 不正行為を早期に発見し、セキュリティおよびプライバシーリスクを軽減する。

• 変化し続ける消費者プライバシー保護に関する規制へのコンプライアンスと法定帳票作成ニーズに対応する。

まとめ

顧客データを社内ソースだけに制限しているようでは、今日の顧客の全体像を把握することはできません。ソーシャルメディアやサードパーティのデータソースなどの社外ソースを含めて、顧客プロファイルを構築して活用することが、極めて重要です。

データタイプの違いを吸収し、あらゆるデータソースから顧客データを取り込んで、顧客を全方位から理解するためのCustomer 360ソリューションを「銀行の頭脳」にすることが、デジタルトランスフォーメーションの要となるでしょう。

インフォマティカのCustomer 360ソリューションについて、詳しくはこちらをご覧ください。

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