教えたくないカスタマーエクスペリエンス向上の秘訣

昨今、質の高いカスタマーエクスペリエンスを提供することは、価格や商品の質も上回る差別化要因となっています。際限のない選択肢を提示されてロイヤリティが揺れ動く、賢い顧客があふれる現在の市場において、質の低いカスタマーエクスペリエンスが米国の企業にもたらす損失は年間830 億ドルに上ります(注1)。

 

調査によると、カスタマーエクスペリエンスへの不満を感じた顧客の91%は、二度とその企業と取引をしないことがわかっています(注2)。この数字から分かる通り、満足度の高いカスタマーエクスペリエンスを提供することは、すべての企業にとって大きな課題となっています。

 

そこで、重要なイニシアチブとして挙がるのが、次のような4つのマーケティング戦略でしょう。

  1. 顧客のセグメント化
  2. カスタマージャーニーのパーソナライゼーション
  3. 顧客の行動分析
  4. すべてのチャネルを通じた顧客の認識

データのターゲットを絞ることで、カスタマーエクスペリエンスと顧客エンゲージメントも把握しやすくなります。対象セグメントに合わせてメッセージをパーソナライズし、ターゲットを絞った関連性の高いオファーを提示できるようになります。また、店舗、オンライン、メール、その他メディアなどのあらゆるチャネルから入ってくる顧客情報を統合し、精査することで、コミュニケーションの重複をなくし、一貫したサービスを提供し、顧客ニーズに合わせてパーソナライズすることで、顧客の信頼を勝ち得ることができます。

 

何から手を付ける?

しかし、CMO (Chief Marketing Officer)の 82%は、「爆発的なデータ増加」に対処する準備がいまだにできていないのが現状です(注3)。またデータは、増え続けるだけでなく、目まぐるしいスピードで劣化しており、年間 70%を超えるB2B データが陳腐化しています(注4)。Dun & Bradstreet 社の調査によれば、1年間に電話番号の18%、住所の20%、電子メールアドレスの30%が変更されています(注5)。このような状況で、常に最新の顧客データを維持して、カスタマーエクスペリエンス向上のために有効活用することは、誰にとっても容易ではありません。しかし、どこから手を付けていいか分からず、そのまま惰性で進行してしまうことは、もはや選択肢になりません。

 

顧客の連絡先データの質ですべてが変わる

顧客の連絡先データは、営業、マーケティング、サプライチェーン/ロジスティクス、財務、請求、セルフサービス、サポートなど、幅広いシステムが利用します。すべてがつながった世界では、顧客データが粗悪なための影響は組織全体に波及し、スタッフ間の協力やシームレスなサービスの提供を妨げるため、社内でも不満を生み出すことになり、最終的には顧客とのあらゆるタッチポイントでサービスの質を低下させ、顧客の失望、怒り、不満を買います。

 

電子メールマーケティング、販促メール、ダイレクトメール、イベントや店舗における対面でのインタラクション、SNS、コールセンター、カスタマーサポート、モバイルチャネル、顧客からの注文、見込み客への営業、請求書の発行、電話キャンペーンなど、あらゆる活動の効果を左右するのは、顧客の連絡先データの質です。不正確で関連性のない顧客連絡先データは、企業全体の活動の質を低下させます。

 

まず検証、次にエンリッチ化

このように大量の顧客データを収集する中で、まっさきに対処しなければならないのが、顧客の電子メールや電話番号、住所などの連絡先データのクレンジングです。顧客データの誤りや重複、陳腐化といった品質の問題を解決しなければ、いくら有益な情報があっても、不安定な基礎の上に建物を構築するようなもので、結局、粗悪なデータはエンリッチ化しても質は向上しません。

 

顧客の電子メールや電話番号、住所などの連絡先データのクレンジングに最初に取り組むことで、正確かつ最新の 360 度ビューを構築して、ニーズに合った情報を使って顧客とのコミュニケーションとサービスをカスタマイズし、新しい幾層もの適切なインサイトを得て行動の基礎とすることができます。

 

粗悪なデータを高品質に変える4つのシンプルなステップ

連絡先データのクレンジングは、次の4つの手順で進めます。

  • システムにデータが入力される経路をすべて確認します
  • データの保存場所をすべて洗い出します
  • 入力時にデータを検証します
  • 3か月ごとにデータの劣化状態を検証します

一回限りではなく、継続的に一貫したデータ管理であることが重要になります。

 

検証作業が終わり、信頼できるデータの強固な基盤を確立したら、ようやくサードパーティのデータを使ってプロファイルのエンリッチ化を始められます。こうして視野を広げることで、顧客と場所、モノ、従業員の間にある新たな関係を発見することができます。またデータのエンリッチ化によって可能になる「マスパーソナライゼーション」によって、「広く浅く展開する」アプローチを排除し、パーソナライズしたオファーを実現できるとともに、ひとつひとつのインタラクションやコミュニケーションに意義を持たせることが可能になります。

 

こうして信頼できる正確な連絡先データが起点となって、あらゆるプロセス、インタラクション、キャンペーン、コミュニケーション、販売、会話が向上する好循環が始まります。高品質な連絡先データを使って、「良い」カスタマーエクスペリエンスを「素晴らしい」に変えること―これが大きな勝利につながる秘訣です。

 

さらに詳しくは、電子ブック「連絡先データの精度向上に投資する理由と価値」をぜひご一読ください。


注1:Customer Experience Board

注2:NewVoiceMedia社「The Multibillion Dollar Cost of Poor Customer Service」2014年1月8日

注3:IBM社調査「CMOs Fusing Internal and External Data to Drive Financial Success」

注4:Biznology社「B2B Data Decay and List Rental – Buyer Beware!」2015年2月13日

注5:Dun & Bradstreet社「Best Practices in Registration Data Management」2011年