マーケティングオートメーションの導入に失敗する原因

最終公開日 : May 17, 2022 |
インフォマティカ編集部
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顧客に対し、最適な情報を最適なタイミングで提供するために役立つマーケティングオートメーション。しかし、すべての導入企業がマーケティングオートメーションを活用しきれているわけではなく、導入に失敗する事例も現れています。その原因はどのようなものがあるのか、失敗の典型的な例と、導入成功のためのポイントについてご紹介します。

 

1.マーケティングオートメーションの導入に失敗してしまう主な原因とは

マーケティングオートメーション(MA)を導入したものの、失敗してしまうケースにはいくつかのパターンが見られます。

MAを導入し成功させるには、漠然と売上や集客力を上げたい、多彩な機能を使いたいといったことだけを考えるのではなく、具体的な目標設定が欠かせません。メールマーケティング、オウンドメディア構築、ランディングページ・Webフォーム自動生成、リードスコアリング、CRM統合、ソーシャルツールなどの各機能に応じて、何をどのレベルまで実現・達成させるかをあらかじめ決めておきましょう。

 

十分な顧客リストが揃っていない

まずMAとは、見込み客を含む十分な顧客リストが手元にあることを前提として実施します。そもそもMAの主要な目的は、顧客情報を一元管理し、メール、SNS、Webサイトなどの様々なチャネルを通じた顧客へのアプローチと育成を自動化することにあります。メールマーケティングを実施するにしても、メール配信先の母数が少なければ、大きな効果はあまり期待できません。

 

十分な行動データが揃っていなかった

顧客の行動データが十分に蓄積されていない状態でMAを導入するのも、失敗のリスクを増大させます。ここでいう行動データとは、顧客の購買行動やメールの開封履歴などを指します。メールマーケティングなどでは対象の行動データに沿ってシナリオを設定し、自動送信するメールの内容を決めていく必要があります。そのため、事前に十分な量の行動データが揃っていることが前提条件となります。

 

どのようにスコアリングを設定したらいいのか分からない

MAにおいてリードスコアリングは、見込み客の購買意欲をスコア化して次のアクションを決定づける重要な要素です。例えばメール開封があったら10点、問合せがあったら30点など、見込み客の興味関心によって、各企業がそれぞれに設定します。しかし企業属性、行動履歴などを元にしたスコアリングの設定は、特に初めての場合は判断に迷うことも多く、スコアリングにあたって必要なデータは取れているのかといった段階から丁寧に確認することが大切です。

 

2マーケティングオートメーション導入を成功させるには

では、マーケティングオートメーション導入を成功させるには何に注意し、どのような準備をすべきなのでしょうか。

 

 

自社のマーケティング方針に沿ったツールを導入する

マーケティングオートメーションには、豊富な機能を持つ多機能型のツールから、機能を絞ったシンプルなツールまで幅広く存在します。自社のマーケティング方針やマーケティングの現状、利用目的、活用方法を明確にして、それに沿ったツールを導入することが非常に重要です。

ツールを提供するベンダーのコンサルティングを受けて、そのツールが目的に適うものか、自社のマーケティング方針とマッチするものなのかをチェックし検討しましょう。

 

あらかじめリソースを確保しプロジェクト体制を整える

多機能なマーケティングオートメーションツールを、ある程度大きな規模で導入するのであれば、事前にマーケティングオートメーションの導入と初期運用のためのリソースを確保しておかなければなりません。プロジェクトチームを組んで導入のための工程表を作り、CRMシステムとの接続を図り、ステップメールのシナリオやコンテンツも用意する必要があります。滞りなくマーケティングオートメーションツールを導入し、運用を始めるまでの各種作業をチームとして進めることになるでしょう。

 

◆マーケティングオートメーション導入後の社内啓蒙に力を入れる

プロジェクトチームだけではなく、営業や販売促進、在庫管理といった、マーケティングオートメーション導入後に、マーケティングオートメーションに関わることになる各部署の従業員に対しても、周知する必要があります。社内でのセミナーなどを活用するのが効率的でしょう。

特に営業スタッフとは、マーケティングオートメーションを導入することによってどのように営業方法が変わるのか、変えていくべきなのかといったテーマで互いにアイデアを出し合い、ディスカッションすることが求められます。

 

マーケティングオートメーション活用の知見を共有しあえる仕組みや体制を整える

マーケティングオートメーション活用についての意見交換や情報共有は、運用ステップに入っても継続していくべきです。MAは短期間ですぐに効果が現れるという性格のものではないので、ある程度長いスパンを想定しつつ、改善点を見つけながら、自社のマーケティングとより良くマッチングさせ、最適化していかなくてはなりません。

定期的なミーティングを開き、社内SNSの活用なども検討しましょう。

マーケティングオートメーションの導入に失敗する事例をみてわかるのは、マーケティングオートメーションに対する理解不足、自社のマーケティング方針とのマッチングについての検討不足、事前の準備不足といったさまざまな「不足」が原因となっているということです。性急に導入を進めるのではなく、まずはマーケティングオートメーションを導入して何を達成したいのかという目標の洗い出しから検討を初めてみることをおすすめします。

 

First Published: May 07, 2018