なぜデジタルトランスフォーメーションにCustomer 360が必要なのか

Customer 360多くの金融機関が大規模なデジタルトランスフォーメーションの中にある現在、顧客をビジネスの中心に据えることはこれまで以上に重要になっています。

デジタルトランスフォーメーションを促進するCustomer 360の能力を活用したアプローチによって、金融機関はトランスフォーメーションの目標とする価値を短期間で実現し、持続可能な将来の成長に向けたプラットフォームを確立することができます。

 

デジタルトランスフォーメーションの現状

金融サービスを提供している企業は進化し続けており、その多くは現在と将来のビジネスを確保するために、どうすれば付加価値的な関係を顧客との間に構築できるのかを模索しています。その理由は千差万別ですが、基本的に、過去の顧客と今の顧客とではニーズが異なり、同様に今の顧客と将来の顧客とではニーズが異なるからであると考えられます。

例えば、顧客は小売の分野でメガブランドやメガエクスペリエンスに慣れているため、これが多くの金融サービス企業の提供しているサービスとのギャップとなっています。このため、デジタルトランスフォーメーションは、現在および将来の世代の顧客により適合した新しいサービスとモデルを形成するためのビジネスプラットフォームを提供します。

この新しいプラットフォームを利用できるように、企業は既存の機能の再利用や新しい機能の購入を検討しています。これによって個々の顧客について知るべきことをすべて把握できると共に、リソースを適切な時に適切な場所へより効果的に投入できます。これは、「サービスプロバイダー」から「関係パートナー」へと移行するプロセスの一部です。この部分で鍵となる機能の1つ、それがCustomer 360を利用することです。

 

Customer 360とは

Customer 360とは、定義されている「すべての」システム内の「すべての」顧客に関連する「すべての」データを見つけて、これらを1つにまとめる機能です。

例えば、配偶者と共同名義で銀行口座、クレジットカード、住宅保険を利用している顧客がいるとします。この顧客が金融機関のWebサイトで高額のローンを閲覧し、最近コンタクトセンターに未決済の取引について問い合わせ、コメントをソーシャルメディアプラットフォームで共有しました。

この顧客が何をしたのか、それはいつなのか、どのような結果となるのかなど、個々のデータはおそらく業務の中でさまざまな部分に分散されている異なるシステムに取り込まれているでしょう。

Customer 360は、企業が顧客に関して有しているデータを複数の異なるシステムから顧客別のビューにまとめ、これらのデータ間の差異を解消します。これによって、各システムで顧客を一意に識別することが可能になります。このビューは、顧客に関するすべての情報について最も信頼できる単一の保管場所を提供し、企業は個々の顧客にどのようなサービスを提供できるのかについて、業務上の意思決定ができます。

Customer360を利用すれば、従来のデータ管理が抱える課題(データを複数の異なるシステムに保存、システムごとに異なる方法で顧客を一意に識別、データが複雑など)を克服できます。

 

金融機関のデジタルトランスフォーメーションにCustomer 360が必要な理由

すべてのデジタルトランスフォーメーションにとって重要な要件の1つ、それはタイプに関係なく、顧客をビジネスの中心に据えることです。これは小売業だけではなく、中小企業から富裕層、他の金融機関と企業にも当てはまります。これを実現するために、金融機関は顧客に関するすべての情報を提供する高品質で信頼できるビューを確立して物理的・論理的に簡単にアクセスできるようにして、社内のあらゆる部門でこれらの情報を利用できる環境を考える必要があります。顧客の全容を理解するには、顧客が過去にどのような意思決定をしたのかを把握するためのベースとして、履歴データが必要です。

この情報によって、すべての部門を通じて下記に関する情報を明確に把握できます。

  • 顧客との取引内容
  • 情報を閲覧または確認しているときに顧客が必要もの
  • ソーシャルプラットフォームを通じたコメントおよびコミュニケーション
  • オンライン、モバイル、オムニチャネルアプリケーションを通じたコミュニケーション
  • コンタクトセンターとのやり取り(電話やメッセージ)を行う際に顧客が必要なもの
  • 過去の行動に関する履歴情報

金融機関は、これらの情報で構成された豊富なデータソースに対しデータマイニングと高度なアナリティクスを適用して、下記のことへの理解を深めることができます。

  • この顧客との関係を維持すべきかどうか?維持するのであれば、
    • 顧客の価値をどのように把握し、どのような形のサービスレベルを提供すべきなのか
    • 新しい金融商品やサービスのニーズにつながる、重要な関心対象やライフイベントは何か
    • カスタマーエクスペリエンスをエンリッチ化できる生産的な「次の最適な行動(Next Best Action)」は何か
    • 今は「次の最適な提案(Next Best Offer)」アクティビティを促す最適なタイミングか。
      多くのプロバイダーから継続的に提案を受けている顧客に対して、どうすれば最適な提案を考え、最適なタイミングで提供し、契約成立の可能性を高めることができるか
    • 提案に関して、また全般的に、顧客と関わっていく最良の方法

これをあらゆるタイプの顧客および見込み客に対して行う必要があります。

Customer 360が提供する高品質で信頼できるデータを高度なアナリティクスプラットフォームに取り込むことで、顧客のニーズに応じたサービスを提供するための行動と意思決定を行えます。

 

既存のコアのアプリケーションシステムとの違い

多くの企業は、自社のコアとなるアプリケーションシステム(銀行ではコアバンキング、保険では保険契約管理)の機能を拡張しようとしていますが、これには多くの課題が伴います。非常に多くの企業が、このように重要なシステムの機能の拡張にはコストを要すると共に潜在的なリスクが伴うことを実感しながら、拡張を進めています。以下のような例があります。

  • これらのシステムは基幹業務に関わる重要な役割を担っているため、大規模な機能変更を行う場合には、その重要な役割の実行が妨げられることのないようにするための多大な開発時間とテストコストが発生する。
  • 本来保存するように設計されていない情報を取り込んで保存するようにコアシステムを変更することで、アプリケーションの実行に必要な処理容量が増加する。また、この新しい機能が全社規模で影響を与える予期しない問題を引き起こすリスクが増える。
  • コア以外のシステムの多くは、異なる手段や手法で個々の顧客を一意に識別しているため、コアシステムを変更して、これらの各種キーを保管するだけでなく、各システムのどのキーの組み合わせがコアシステム内のどの顧客に対応しているかを把握しなければならない。

Customer360は、コア/非コアアプリケーションシステムと共に機能して重要なサービスを提供することで、このような基幹業務システムの変更に伴うコストとリスクを大幅に軽減します。さらに、すべてのソースからの情報を集約するためのあらかじめ構築/テスト済みの幅広い機能によって、スピードアップと提供コストの削減を実現します。

 

まとめ

金融サービス企業は、変革の中にあります。このような環境において、現在だけでなく将来における顧客ニーズに対応するための中核的な役割を果たすのが、デジタルトランスフォーメーションです。コアアプリケーションシステムの機能に影響を与えることなく、顧客に関する高品質で信頼できる情報ソースを確立することで、顧客が何を求め、いつ必要としているのかを知るための新たなインサイトを提供する、高度なアナリティクスシステムが実現します。

このような能力がなければ、デジタルトランスフォーメーションイニシアチブが本来提供できるはずの価値を完全に引き出すことが困難になります。なぜなら、顧客データが社内全体に分散して置かれ、相互の連携もなく断片化されていると、顧客をビジネスの中心に据えることが難しくなるためです。

貴社のデジタルトランスフォーメーションイニシアチブをインフォマティカがどのように効果的に支援するのか、Customer 360 ソリューションの詳細をご確認ください。

 


※本ページの内容は2017年5月4日更新のUS Blog の抄訳です。

Why Digital Transformation Needs Customer360

著者:Informatica,  the Head of Industry Consulting across the EMEA region Andrew Joss