データが持つ破壊的パワー、その可能性に注目しよう!

「デジタルトランスフォメーション」 —– IT業界で騒がれているこのバズワードもだいぶ世の中に浸透し、いくつかの会社では実際に対応も進んでいます。

私達は皆が興味をそそられるような様々な新しい用語を作るのは得意ですが、実際には言葉だけが先行して終わってしまうことも少なくありません。私自身は「デジタルトランスフォーメーション」ではなく、データが持つ破壊的なパワー(可能性)の話をする方が好きです。私達はデータの使い方自体を変えようとしている訳ではなく、今までには存在しなかった、新しい利益を生むビジネスチャンスを作ろうとしているのです。これはデジタル変革ではなく、データの力によって引き起こされる革新なのです。

そしてもし現時点で他社を引き離すためのデータ戦略を立てられていなければ、残念ながらすでに遅れを取ってしまっていると言わざるを得ません。

まだ多くの企業はこの変革に戸惑っています。この状況を分かりやすく例えると、新年の抱負の様なものです。多くの人が「今年こそ痩せる!」と抱負をたてますが、これを達成するためには今の生活習慣を大幅に変える(変革する)必要があるのです。

 

データはどこからでも沸いてくる

今日、5年前には存在もしなかった数多くのデータへのアクセスがどれだけ増えているかお気づきでしょうか?5年前は自分のリアルタイムの行動や健康状態のデータを元にダイエット計画を立てる人はいませんでしたよね?最近では当たり前になっているFitbitなどのウェラブル機器から取れるデータを使って一日の行動をプランをするなど、当時は考えもしませんでした。それが今では周りの友達ともデータを共有することで更にやる気を引き出すなど、新しいデータの活用方法が日々生まれています。

人はみんな競争が大好きです。現在ではこれらのデバイスによりフィットネスの世界に競争が生まれ、人々のフィットネスに対する考えが大きく変わりました。

私のオフィスでも、従業員が同時にFitbitを利用し始めた際には、今日は誰が一番歩数を稼いだかなどの話で盛り上がっていました。データを活用したデバイスが普及したことによって、フィットネス業界は過去に無い伸びをみせたのです。この様な新しいビジネスチャンスを想像することはそんなにハードルの高いことではないと思います。

 

生活に関わるすべてのデータを分析可能に

もうこの世界に限界は無くなってきています。今後どんなソリューションが現れ、世の中を変えていくのかを考えるとわくわくしませんか。

最近、トムハンクスが主演する映画「The Circle」を鑑賞しました。この映画は人間のデータを管理しマネタイズする企業を舞台にしており、データによる様々な変革が、今後我々をどこまで連れ出せるのかを興味深く描いています。「私たちはこのデータの時代にどこまで準備ができているのか?」「自分たちのデータの活用をどこまで許容するべきなのか?」「データプライバシーは本当に重要なのか?」を問いかけます。

個人的には最後の質問がもっとも興味深く、皆プライバシーの尊重を求める一方で、ソーシャルメディアのアカウントを作り、様々な個人情報を自ら公共の場に発信しています。もし公開している情報に無頓着な人が多いのであれば、データの透明性を求めることは、それほど悪いことではないのではないでしょうか?

結局は我々がどこまで変化を許容でき、どこまでを価値ととらえるかが重要だと考えます。個人情報の盗難は実際に起きており、大きな課題の一つですが、既に少しの情報で必要な個人情報ほぼ全てを得る事はそれほど難しくない世の中になっています。

多くの企業では、新しい個人情報保護法の策定を想定しデータの活用プロセスを止めてしまっています。しかしセキュリティの考え方も大きく変わっています。今どれだけの人が銀行のATMのセキュリティを心配しているでしょうか?多くの人は私と同様、もう銀行窓口やATMに実際に足を運ぶこと自体なくなっているのではないでしょうか?

 

データがもたらしてくれる大きなチャンスを考える

ここまでデータが取れる様になった今、心を躍らせる様なチャンスは常に目の前にあります。デジタルトランスフォメーションにより、スマートシティやリアルタイムリテール、パーソナルショッピング、更には考えられるほぼ全てのものを(ワインの購入から工芸品、旅行券、土地、ボートのチャーターなど)オンラインショッピングで入手できる時代になりました。

一消費者として我々の持つ力は驚くべきものです。誰かが出来ていることは、あなたがどこに住んでいようと同じことを体験できる時代になっているのです。

人々がそのプロセスに価値を感じた瞬間、プライバシーに関して深く考えることは無くなります。昔は情報の悪用を恐れ、クレジットカード情報を事前に提供してレストランを予約するようなことは避けていました。でも今ではオンラインで多くの買い物をしており、クレジットカード情報の提供が嫌だからと活用しないサービスはありません。

 

あなたの最大のリスクはあなた自身

企業が直面する最大の課題は、次世代の革新に自社を追い付かせることです。しかし人間はとても適応性のある生き物です。たまに手に負えないこともありますが、40代以下の世代はインターネットと共に成長しています。

私には現在のような銀行ビジネスが10年後も残っているとは思えません。既にテスラ社のようにソーラーオプションや蓄電可能なバッテリーソースの融資オプションを提供している企業もあります。

電力会社は10年後も存続しているでしょうか?インドネシアの電話会社ビジネスの80%は携帯電話の運用で成り立っています。この業界では、最近多額のお金を投資して携帯で処理されるデータを管理、リアルタイムで流通業に展開するビジネスを作りました。リテイラーは顧客が近くにきたタイミングで効果的な広告を打つことが可能になるのです。彼らはもう電話会社ではありません。データ提供会社になったのです。

こうした例は氷山の一角にすぎません。現代社会はこういった変化を凄いスピードで続けています。変革の必要性を理解している企業もありますが、レガシーのルールに縛られ全く変化に対応できていない企業も多くあります。変化に戸惑い、変化への対応を後回しにすればするほど、今後10年間で起こり得る変化に企業が飲み込まれてしまうでしょう。

現在、世の中にはまだ触れられていない数多くのビジネスチャンスが眠っています。世界経済はこのレガシー構造から抜けられず、減速を続けています。この壁を越えることができれば、また経済は加速し始めるでしょう。

私がなぜここまで言い切れるのか?それは私の19歳の娘が将来何をするのか、全く想像ができないからです。彼女が働くことになる会社は今時点で存在していない可能性が多いにあります。この状況は私が19歳の時にはありえませんでした。しかし私の想像を超える量のチャンスを彼女が得るであろうと確信しています。全てはデータがもたらした可能性、変革に感謝です。

あなたはどう考えますか?

 


※本ページの内容は2017年8月4日更新のUS Blog の抄訳です。

Don’t Talk To Me About Digital Transformation…

著者:Informatica Senior Vice President Asia Pacific & Japan Murray Sargant