Informatica World 2016 ハイライト

Moscone

先日、1年で最も大きなカンファレンス、「Informatica World 2016」がサンフランシスコで開催されました。

5月23日から26日までの4日間にかけて行われた本イベントでは、大小あわせて1,500のセッションが提供され、各国から3,000名以上のエグゼクティブやITリーダー、技術者、データサイエンティストなど、データに関わるさまざまな人が集まり、日本からも30名以上のお客様・パートナー様にご参加をいただいて、大盛況のうちに幕を閉じました。

今年のInformatica Worldのテーマは、「Data Powers Business」。ビジネスにおいて、どのようにデータを力に変えていくのか、そのための最新ソリューションや先進的な取り組み事例、技術情報が共有されました。今回は、そのハイライトをお届けします。

Data 3.0の時代へ

Data3.0

カンファレンス初日、CEOであるAnil Chakravarthyの基調講演は、「いま時代はData 3.0に突入した」という宣言から始まりました。インフォマティカが創業した1993年以来、20数年の歴史を振り返り、2016年のいま、第3世代に入ったと。
Data 1.0は、特定の業務プロセスを自動化するための、ETLをはじめとするデータインテグレーションの時代。
Data 2.0は、企業全体でデータ資産を管理・活用するための、データ品質管理やマスターデータ管理、データセキュリティなどのさまざまなデータマネジメントに拡張された時代。
そして、Data 3.0は、より業務ニーズに即した、新しいビジネスモデルを支えるための、データインテグレーション&マネジメント製品を融合した包括的なシングルプラットフォームの時代。そのために、インフォマティカでは各製品機能の統合し、「Intelligent Data Platform(以下IDP)」として進化させただけではなく、IDPをベースとしてさまざまな業務領域や業界に特化した、業務ユーザーがセルフサービスでデータを積極的に活用できるData Fueled Applicationの開発を進めています。その一端として、Intelligent Data LakeやCustomer 360、Secure@Sourceなどの新製品・機能が発表されました。

Intelligent Data Lake

近年、グローバルはもちろん日本国内でもデータレイクの検討・導入が加速しています。ビッグデータ時代において、DWHに蓄積しきれない大規模なデータ、またセンサー、ログといった非構造化データを含むさまざまな種類のデータを、HadoopやSparkなどの安価でスケーラビリティのある器に溜めて処理、活用しようというものです。しかし、データレイクは大きな課題を抱えています。それはデータガバナンスです。従来のデータベースとは異なり、あらゆる種類の膨大なデータを蓄積できる一方で、メタデータの管理と可視化が極めて困難です。そのため、巨大なブラックボックスになってしまい、ユーザーもどこにどんなデータが存在するか把握できず、せっかく溜めたデータ資産を使いこなせないという状況に陥ってしまいがちです。

そこで、インフォマティカではデータレイクとその周辺のデータ資産を管理・可視化し、なおかつ機械学習のエンジンを搭載、ユーザーへのリコメンデーション機能も備えた、「Intelligent Data Lake(IDL)」を新たにリリースしました。データレイクやDWH、ソース/ターゲットとなる周辺システム、またIDPの各コンポーネントから自動で取得したメタデータを「Live Data Map」と呼ぶセントラルメタデータハブに集約して集中管理します。このメタデータを利用して、データレイクを取り巻く環境におけるデータの所在や流れ、関連性、品質を、ユーザーが的確に把握できるようになります。さらに機械学習エンジンによって、たとえばユーザーが現在利用しているデータセットに関連する別のデータセットを探してきてオススメしてくれたりもします。またユーザー自身で簡単にデータを加工できるデータプレパレーションツール「Informatica Rev」も統合されています。これによって、レイクに蓄積されたまさに膨大なデータの湖から、ビジネスユーザーがIT部門の手を借りずに自ら必要なデータセットを見つけ出し、その状態を把握し、統合・クレンジングして分析や業務に活用することが可能となるのです。

 

Intelligent Data Lake
Live Data Mapを核としたIDLの概念図
Intelligent Data Lake画面イメージ
セルフサービスを促進するUI

 

 

 

 

 

 

 

こちらから、基調講演で実演されたIntelligent Data Lakeのデモもご覧いただけます。

Customer 360

昨今のビジネスにおいて、グローバルへの展開、複数の事業、マルチチャネルなど顧客接点が多様化するに伴って、顧客情報はさまざまなアプリケーションやサービスに散在、サイロ化する傾向にあります。CRMシステムを導入したからといって、顧客にまつわるあらゆる情報をCRMに格納するのは現実的に不可能です。この断片化した顧客情報を繋ぎ合わせ、顧客を中心とした包括的なビューとして提供するのが、「Customer 360」です。

Customer 360は、Informatica MDMをベースに顧客情報を統合管理・活用するために開発されたData Fueled Applicationのひとつ。これもIDL同様に、営業やコールセンター、マーケティングなど顧客接点をもつビジネスユーザー向けに設計された、データ活用のためのアプリケーションです。MDMで顧客の基本情報、すなわち顧客マスターを管理・可視化するのは当然ですが、このCustomer 360ではMDMで統合管理しているマスターをキーに、各アプリケーションに散在するトランザクションデータも紐づけて、包括的なビューとして提供するというものです。たとえば、CRMにある案件情報、ERPにある購買履歴、コールセンターの問合せ履歴、Webサイト/ECの閲覧ログといった、断片化した関連情報をひとつの画面で閲覧、更新することができるようになります。クレジットカード番号など機密性の高いデータはマスキングによってセキュリティを担保したり、電話番号などの有効性やデータ品質を評価するバリデーションチェック機能なども融合されています。社内外に存在する顧客にまつわるあらゆる情報をつなぎ、信頼性・安全性の高い包括的なビューとしてビジネスユーザーに供給することで、より深い顧客理解にもとづくサービスやオファリングの提供を可能にし、顧客体験価値、ひいては収益の向上を支援する強力なソリューションです。

 

トランザクションも含めた包括的な顧客ビュー
トランザクションも含めた包括的な顧客ビュー
顧客を取り巻く関係性ビュー
顧客を取り巻く関係性ビュー

 

 

 

 

 

 

 

こちらから、基調講演で実演されたCustomer 360のデモもご覧いただけます。

この他にも、データセキュリティにフォーカスしたユーザー向けアプリケーション「Secure@Source」の機能強化、IoT時代におけるリアルタイムデータストリーミングを支える「Intelligent Data Streaming」という新製品、ハブ&スポーク型のデータ統合をiPaaSで提供する「Cloud Integration Hub」、MDMをiPaaSで提供する「Cloud MDM」の開発宣言など、例年にも増して革新的なData 3.0時代を感じさせる盛りだくさんの発表があったのが印象的です。単なる技術基盤としてだけではなく、機械学習によるインテリジェンスを搭載し、ビジネス部門がより迅くより簡単にデータの力を解放できる世界、「Data Powers Business」を体現するべく進化していくインフォマティカプラットフォームに今後もご注目ください。